うまくいかない電気工事店の経営を儲かるようにする着眼点とは

戦略の考え方

  各種小売店の他、エステティックサロンや理容店などのサービス業、飲食店といった店舗を構える事業者のうち、一般に車での来客が大多数の郊外型店舗をロードサイド店舗と言いますが、今回、弊社では電気工事店のご支援をすることになりました。

 代表者のご子息が後継者候補として入社され、これを機会に下請取引が大きな割合を占めている経営状況を見直して、事業承継に備えたいとのことでした。今回のコラムでは、この電気工事店の経営に関するポイントを述べていきます。

1.うまくいかない電気工事店の経営を儲かるようにする着眼点とは

うまくいかない電気工事店の経営を儲かるようにする着眼点とは(1)下請取引の意義を踏まえる

 当然のことながら、下請取引業者は、元請業者が発注する仕事を手掛けます。その仕事の対価は、元請業者と下請業者で分配します。分配の比率はどうであれ、元請業者と分配する以上、仕事の対価は下請業者に丸々入ってくるわけではありません。よって収益性が低いと言われます。

 反面、元請業者は営業活動を行って仕事をとってきます。当然、営業費がかかります。よって、下請業者に出した仕事について対価の分配は、元請業者にとっては、下請業者の営業代行としての取り分という考え方ができます。下請業者は営業をしない分、営業活動の費用を元請業者に支払っているのです。

 これまで下請業者であった今回の電気工事店が、顧客と直接取引をするには、営業活動をしなければなりません。そこには、それ相応の営業費が発生します。もともと営業活動に長けていませんので、最初は営業費も効率よく使えない可能性もあります。そのように考えると、下請取引は一概に収益性が低いとは言えないはずです。

 よって、収益性のみに着目して、下請業者から脱却することはお勧めしません。ただし、元請業者に振り回されたくないとか、自社に営業力を付けたい、ということであれば、脱下請けを検討しても良いでしょう。

うまくいかない電気工事店の経営を儲かるようにする着眼点とは(2)需要の低い時期を活用する

 この電気工事店は、様々な電気工事を手掛けていますが、夏場には一般家庭のエアコン設置工事に忙殺されます。家電量販店の下請事業者として、家電量販店でお買い上げいただいたエアコンを設置するケースがほとんどであり、自社でも一般ユーザー宅との直接取引でエアコンの設置工事を行っていますが、それは、下請のエアコン設置工事の3分の1程度の件数です。

 なぜ、夏場にエアコンの需要が高まるかというと、当然のことながら、一刻も早くユーザーが涼しさを求めるからです。一刻も早くエアコンという「モノ」が欲しいのではなく、一刻も早く涼しくなるという「コト」が欲しいのです。

 よって、6月~8月の最需要期以外にエアコン設置工事を行っておけば、夏が来て暑くなっても、涼しさという「コト」をスムーズに提供できます。そこで、6月~8月以外の直接取引は、工事費を半額にしてエアコン設置工事を提供することとしました。

 ただし、これはあくまでも直接取引を行うきっかけです。これをきっかけにして、定期的に顧客宅へ訪問し、アフターフォローを行って関係性を構築し、エアコン以外の電気工事を提供していくこととしました。

 うまくいかない電気工事店の経営を儲かるようにする着眼点のひとつとして、「モノ」ではなく「コト」に着目することが挙げられます。そして、それをきっかけに顧客との関係性を構築し、顧客を生涯顧客としていくこの取組み、今後の展開が楽しみです。

2.関係性に関する参考コラム

 ■評判が良く人気・売上の高い値引に頼らない電気店を経営するには
 ■儲かるロードサイド店舗がwebで情報発信する戦略をとる理由
 ■雑談をきっかけに関係性を構築して油外商品を販売するには

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