小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウトカフェの事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 「4.経営方針・目標と今後のプラン」を書く際は、見出しを設け、【経営方針】と【目標】の違いと関連を意識するとともに、【今後のプラン】における時間軸を明確に示す必要があります。

 テイクアウトを強化したいあるカフェの経営者が、小規模事業者持続化補助金を活用することにしました。そこで予め計画書(様式2と3)を記入してきたわけですが、これをどのようにブラッシュアップしていったかを紹介するシリーズの6回目は、様式2の「4.経営方針・目標と今後のプラン」について見ていきます。

見出しを設ける


 同店の経営者が当欄に書かれてきた内容を拝見すると、15行にわたって文章がつらつらと示されていました。そこで見出しを設けることをご提案しました。そのメリットは、①読み手の意欲が湧くこと、②書き手の考えがまとまること、です。

 ①について、例えば新聞に見出しが一切なかったら、とてもではありませんが読めません。見出しがあれば、その見出しに関連したことが書いているはずですので読んでみようと思います。また、一つの見出しの内容を読み終えたら、それに続く見出しの内容も読もうと思うでしょう。

 ②について、書き手は見出しを設けることにより、その見出しに沿った内容を書こうと意識するようになり、あらぬ方向に脱線した内容を書くリスクが低くなります。

 よって「4.経営方針・目標と今後のプラン」では【経営方針】【目標】【今後のプラン】という3つの見出しを設け、見出しごとに内容をまとめることをお勧めしました。

経営方針と目標の関連


 【経営方針】としていながら【目標】を掲げるケースは、思いのほか多い印象を持っています。同店は、当欄に【経営方針】として「多くの方から愛されるお店」といった趣旨の内容を記載していましたが、これは同店がたどり着きたい先、つまり【目標】です。

 方針とは方向性、つまり目標にどのようにたどり着くつもりなのかということです。この場合、「人」「物」「金」「情報」という経営資源をいかに充実させるか、また「製品」「価格」「チャネル」「販売促進」という4つのマーケティング戦略をいかに展開するか、という切り口から検討すると方針が定まりやすくなります。

 例えば、経営資源であれば、多くの方から愛されるお店にするために、人材育成を強化する(人的資源の充実)、店舗を改装する(物的資源の充実)、これらのことを行うために資金調達をする(財務的資源の充実)、情報発信をする(情報的資源の充実)、といった方針が考えられます。

 例えば、4つのマーケティング戦略であれば、多くの方から愛されるお店にするために、新製品を投入する(製品戦略)、販売価格を見直す(価格戦略)、通信販売を開始する(チャネル戦略)、広告を打つ(販売促進戦略)、といった方針が考えられます。

 同店は、①店舗改装(物的資源の充実)、②新メニューの投入(製品戦略)、③情報発信の強化(情報的資源の充実、販売促進戦略)、という方針を立てました。

今後のプランの留意点


 上記の方針に基づき、中長期的に「何をいつ」実施するのかを示すのが【今後のプラン】です。これは、具体的であればあるほど計画の実現性は高まりますので、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という5W1Hで実施事項を書きたいところです。

 ただし、数年先に行う実施事項の5W1Hを明確にするのは困難な場合が多いので、最低限「何をいつ」実施するのかを記載します。ここで「何を」は書いていても「いつ」が書かれていないケースが非常に多く、同店もこのパターンでした。時間軸を定めることで、いつまでにやるべきかが分かるため、計画が実行されないリスクが低下します。

 今回のコラムでは、「4.経営方針・目標と今後のプラン」の留意点として、見出しを設けること、【経営方針】と【目標】の違いと関連を意識すること、【今後のプラン】における時間軸を明確に示すことを述べました。次回は<補助事業計画>について見ていきます。

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