経営革新計画の書き方6:経営ビジョンの策定

経営革新計画

 前回のコラム経営革新計画の書き方5:ミクロ環境分析では、外部環境にはマクロ環境とミクロ環境があること、そのうちマクロ環境分析では、市場・顧客・競合動向を把握することがポイントである点を述べました。なお、この経営革新計画の全体像は、以下となります。

 1.会社概要
 2.当社の内部環境
 3.当社の外部環境
 4.当社のビジョン
 5.ビジョン達成の課題
 6.新たな取組みの内容
 7.販売計画
 8.設備投資計画
 9.雇用計画
 10.事業推進体制
 11.教育研修計画
 12.売上・利益計画
 13.返済計画
 14.行動計画

 このうち、今回のコラムでは、「4.当社のビジョン」「5.ビジョン達成の課題」について見ていきます。

ビジョンとは

 経営革新計画の計画期間は3年、4年、5年計画のいずれかというルールになっています。これは、経営革新計画の承認を取得するためには、計画書上の数値について、ある一定の伸び率が必要であり、それを3年で達成するか、それとも4年、5年かけるか、という判断が必要になるということです。

 そして、経営革新計画に記載するビジョンとは、計画終了時点での自社のありたい姿です。これが明確であればあるほど、ビジョン達成時の姿をリアルにイメージできるため、その実現可能性とモチベーションを高めることが期待できます。そして、このビジョンには2つの種類があります。

ビジョン設定の留意点

 ビジョンには売上高や利益、販売数量など数字で表すことができる【定量的ビジョン】と、企業イメージや知名度など、一般に数字で表すことが困難な【定性的ビジョン】があります。

 ここで気をつけたいのは、定量的ビジョンは達成度が分かるため、未達だった場合に次の打ち手を検討しやすいのですが、定性的ビジョンはそれが困難である、ということです。

 よって、定性的ビジョンは可能な限り定量化する必要があります。例えば、「知名度を上げる」というビジョンなら、「3年後に最寄駅前の通行者100名にアンケートを取った場合に、当社の社名を知っている方が80人以上」という定量的ビジョンに変換が可能です。

 そのためには現状を知るために、このアンケートを現時点で実施する必要があり、それをやらずしてビジョンだけ掲げても絵に描いた餅になってしまいます。定性的ビジョンはこのようなリスクをはらんでいることに留意しましょう。

課題と問題

 現状と設定したビジョンの間にはギャップがあります。このギャップを引き起こしている要因が【問題】であり、その解決策が【課題】です。前述の例で言えば、ビジョンが当社を知っている人80名で、現状が10名だとしたら「70名の人が当社を知らない原因」を検討します。

 その原因が「品揃えに差別的優位性がないため広告宣伝効果が高くないから」であったとしたら、それが【問題】です。

 そこで「いかにして品揃えの充実度を高めるか」が【課題】であり、その課題を潰し、自社にとっても競合にとっても初めての品揃えを実現するために経営革新計画を策定します。その際のポイントは自社の強みを活かすことです。このようにして、ビジョンを設定し、問題を洗い出し、課題設定を行って経営革新計画の骨子を作っていきます。そして、次回のコラムで述べる「新たな取組み」を構築することとなります。

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