経営革新計画の書き方13: 数値計画書の作り方4つのポイント

経営革新計画

 前回のコラム「経営革新計画の書き方12:損益計算書の項目」では、3つの収入、5つの支出、5つの利益を示し、利益のうち、売上総利益は商品力、営業利益は営業力、経常利益は経営力のバロメーターであることを述べました。なお、この経営革新計画の全体像は、以下となります。

 1.会社概要
 2.当社の内部環境 
 3.当社の外部環境
 4.当社のビジョン
 5.ビジョン達成の課題
 6.新たな取組みの内容
 7.販売計画
 8.設備投資計画
 9.雇用計画
 10.事業推進体制
 11.教育研修計画
 12.売上・利益計画
 13.返済計画
 14.行動計画

 このうち、今回のコラムでは、「12.売上・利益計画」の具体的な作り方について見ていきます。

数値計画書の作り方ポイント1:売上高は既存と新規に分ける

 売上・利益計画のベースとなるのは、当然のことながら【売上高】ですが、これを【既存事業】と【新規事業】に切り分けて検討します。

 【既存事業】は、現在実施している事業であり、直近期の損益計算書に示されている売上高が既存事業の売上高です。これに対して【新規事業】は、経営革新計画で取組む事業です。経営革新事業が、新製品や新サービスの市場投入の場合はその売上高ですが、既存製品の新たな提供方法の場合は、それによる増販分が新規事業の売上高となります。

 売上原価、販売費及び一般管理費(販管費)も同様に切り分けて検討した上で、既存・新規の合計を示します。なお、それ以外の営業外費用・収益、特別利益・損失の他、利益項目に関しては、既存・新規に切り分ける必要性は高くないでしょう。

数値計画書の作り方ポイント2:既存事業の売上高は伸び率を検討する

 既存事業の売上高は、損益計算書に記載された売上高が、今後上がるのか下がるのか、横ばいなのかを検討します。上下するのであれば、毎期5%アップ、毎期10%ダウンなどその【幅をパーセンテージで】考えます。いずれにせよ、なぜその割合が見込めるのか、根拠を記載することが必要です。

 例えば、新聞の市場規模は10年間で25%ダウンしましたが、過去に弊社がご支援した新聞店は、この動向と自社における新聞購読者の最近の動向を検討し、毎期5%ダウンを見込みました。

数値計画書の作り方ポイント3:新規事業の売上高は単価と数量を検討する

 新規事業の売上高は、【販売単価】と【販売数量】に切り分け、それらを掛け合わせて算出します。経営革新事業として、1種類の価格しかない商品のみ取り扱うのであれば話は簡単ですが、過去にご支援した物件の仲介や販売をメインとする不動産業は、取扱商品に価格の幅がありました。

 このケースでは、全ての物件の平均単価を1つに絞り込むことも無理がありましたので、物件を8種類に分け、その平均単価を設定して売上を見込みました。

数値計画書の作り方のポイント4:原価・費用は売上高に占める割合を検討する

 売上原価・販管費も既存事業、新規事業に切り分けます。売上原価は直近期における【売上に占める割合】(売上高対売上原価率)を求め、各年度に当てはめていきます。機械的に当てはめるのではなく、原価率の変動要因が各年度で発生しないかどうかを確認していく必要があります。

 販管費は、既存事業・新規事業ともに【人件費】【減価償却費】【それ以外の販管費】に切り分けます。これは「経営革新計画の書き方10:経営資源(ヒト・モノ・カネ)の充実」で見た【付加価値】を算出するためです。

 【人件費】は既存事業の場合、原則として売上の伸び率を参考に今後の計画数値を検討しますが、新規事業の場合は「9.雇用計画」に対応させた人件費を検討します。

 また【減価償却費】は、既存事業で使用している設備の場合、今後償却が終わればその設備の減価償却費は計上する必要がないため、償却終了時期を決算書から把握した上で計画期間の減価償却費を見込みます。新規事業に関しては「8.設備投資計画」に対応させて減価償却費を見込みます。

 このようにして、売上・利益計画を策定したら、次回のコラムで述べていく返済計画を立案していきます。

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