妥協効果で客単価アップ|ガソリンスタンドの価格設定のコツとは?

コラム

はじめに

 この記事では、妥協効果という消費者の心理を利用した価格設定の方法について解説します。妥協効果とは、選択肢が奇数個ある場合に、真ん中の選択肢が選ばれやすくなるという現象です。これを活用して、ガソリンスタンドでエンジンオイルのメニューを変えることで、客単価を高めた事例を紹介します。

 この記事は、以下の方を対象としています。

  • ガソリンスタンドを運営する経営者や管理者
  • ガソリンスタンドをご支援する商工会・商工会議所の経営指導員の方や経営コンサルタントの方
  • 価格設定に興味のある方

 この記事を読むことで、妥協効果の仕組みと効果を理解し、ご自身のビジネスに応用することができます。ぜひ、最後までお読みください。

妥協効果とは何か

 妥協効果とは、消費者が商品やサービスを選ぶ際に、価格や品質などの属性が異なる複数の選択肢が提示された場合、極端な高低の選択肢を避けて、無難な中間の選択肢を選びやすくなるという心理効果のことです。この効果は、行動経済学の分野で研究されており、極端性回避の法則やゴルディロックス効果とも呼ばれます。

 2021年にJ-STAGEという学術雑誌のサイトへ、明治大学の経営学博士である加藤拓巳氏が「選択における文脈効果の出現要因とその方向性」という論文を発表しました。この論文では、自動車業界のWeb見積もりを事例として、妥協効果の出現要因とその方向性を検証しています。

 その論文では、妥協効果が起こる理由として、以下の内容を挙げています。

  • 選択肢がたくさんあると、比べるのが大変になり、真ん中の選択肢を選ぶことが楽になります。
  • 真ん中の選択肢は、目につきやすく、自然にそれを選ぶようになります。
  • 値段や性能が大きく違うと、どちらかを選ぶのが難しくなり、真ん中の選択肢を選ぶことを妥当と感じます。
  • ただし、人によって、知っていることや経験したこと、やりたいことや求めていること、感じていることや考えていることなどが違うので、真ん中の選択肢を必ず選ぶとは限りません。

 妥協効果は、消費者の購買行動に大きな影響を与えることができるため、マーケティングの観点からも重要な概念です。特に、価格設定や商品ラインナップの決定において、妥協効果を考慮することで、売上や利益を向上させることが可能になります。

 次に、妥協効果を利用した価格設定の方法について、具体的な事例を紹介します。ここでは、ガソリンスタンドでエンジンオイルのメニューを変えることで、客単価を高めた実際の事例をもとに説明します。

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