ガソリンスタンドでタイヤが売れる3つのセールストーク

客単価向上

 ガソリンスタンドでは、ガソリン以外に様々な車両関連商品を販売していますが、その中で高額な部類に入るのがタイヤです。このような高額な商品が売れていく店舗は、それだけ顧客から信頼されていると言えるでしょう。

 ところが「押し売りされたくない」「本当に交換が必要なのかわからない」などといった不安を抱く顧客も相当数存在し、このような高額商品は簡単には売れないのが実情です。しかし、同じガソリンスタンドでも年間に数千本ものタイヤを販売する店舗もあるわけで、そのような店舗の特徴のひとつにセールストークがしっかりしていることが挙げられます。

 ここで重要なことは、上手いことを言って顧客を丸め込むためのトークではなく、顧客が納得して買っていただけるためのトークが真のセールストークである、ということです。今回のコラムでは、このタイヤを販売するために効果的な真のセールストークについて見ていきます。

1.ガソリンスタンドでタイヤが売れるセールストーク

ガソリンスタンドでタイヤが売れるセールストーク(1)「前回いらしたときに…」

 顧客は自分のことを覚えてくれているスタッフに絶大な信頼を置きます。ところがこれを推し進め過ぎると、属人的な販売になってしまうリスクが発生します。例えば、人気の美容師やキャバ嬢が店を移ると、その方についていた顧客も移ってしまい、抜けられた店舗はダメージを負ってしまいます。

 そこで属人的な販売ではなく、組織的な販売をする必要があります。属人的な販売は、顧客と接客・購買履歴を頭の中で紐付けて販売しますが、組織的な販売は、顧客の車両と接客・購買履歴をツールで紐付け、スタッフ間で情報を共有して販売します。

 この組織的な販売をするために、顧客が乗ってきた車両のナンバープレートをカメラで撮影して、瞬時に過去の接客履歴や購買履歴をスタッフ用のパソコンなどに映し出すシステムがありますが、いかんせん高額です。

 そこでお勧めしているのは、エクセルを使った管理です。これはエクセルがインストールされたパソコンが店頭にあれば実施できます。車両ナンバーを検索することによって、過去の接客・購買履歴が分かり、その顧客と初めて接するスタッフでも、その履歴を活かした販売、つまり「前回いらしたときに…」から始まるセールストークが可能となります。エクセルによる顧客管理の具体的な手法については、以下のコラムを参考にして下さい。

ガソリンスタンドでタイヤが売れるセールストーク(2)「あそこのお店と比較して下さい」

 「近隣にタイヤ量販店があるから売れない」と言うガソリンスタンドがありますが、そのタイヤ量販店を活用してタイヤを売れる仕組みを構築することが重要です。

 A社製のタイヤを販売している、あるガソリンスタンドでは、仕入業者の協力を得て、近隣のタイヤ量販店におけるA社製タイヤの販売価格を全て調べてもらいました。

 その結果を基に、同店は1本あたりの販売単価を当該量販店よりも少しだけ下回るものに改めました。さらにサイズごとに価格表を作成し、1本価格と4本価格を掲載したハンドアウト用チラシを作成しました。4本まとめて交換すれば、1本当たりの金額はさらに安くなる設定です。

 そして、摩耗したタイヤを装着している車両の顧客にそのチラシを渡す際に、その車両のタイヤサイズと価格に蛍光ペンでマーキングをし「あそこの量販店と比較して下さい」と言います。

 当該量販店は安値販売の告知を新聞折込チラシで実施しており、安値販売を行うイメージを消費者に与えていました。よって、そこよりも安いことは、顧客にとって大きなインパクトを与えることとなり、大幅な安売りをせずとも売れていくようになりました。

ガソリンスタンドでタイヤが売れるセールストーク(3)「こんなんなっちゃいますよ?」

 プロスペクト理論とは、人は新しいものを手に入れるメリットよりも、現在保有しているものを失うデメリットの方が大きく感じることを説明するものです。つまり、タイヤを交換すると得られるメリットよりも、交換しないことによるデメリットの方が大きく感じるということです。ただし、これを悪用すると「脅し商法」になってしまいます。

 その点に留意した上で、店頭に破裂したタイヤを飾っておきます。無ければ仕入業者にお願いすれば持ってきてくれるはずです。その上で、摩耗したタイヤを装着している車両の顧客にタイヤ交換をお勧めする際に、その破裂したタイヤを見せることでビジュアル的な効果が説得力を高めます。

 ただし、繰り返しになりますが、やり過ぎには注意する必要があります。やり過ぎかどうかは定量的な尺度がありません。そこで売り手のモラル、道徳心、バランス感覚が問われます。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドでタイヤが売れるセールストークとして、(1)「前回いらしたときに…」、(2)「あそこのお店と比較して下さい」、(3)「こんなんなっちゃいますよ?」を挙げました。これらを正しく活用すれば、大きな実績に結び付く可能性が高まります。

2.当コラムの解説動画

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