スタッフに対してペナルティとして罰金を設定すべきではない理由

経営の姿勢

アルバイトスタッフの遅刻や欠勤を減らすために

 以前、あるコンビニエンスストアが「急に欠勤した場合は、罰金として1万円を徴収する」という契約をアルバイトスタッフと締結し、実際に罰金を取っていた事例が問題になったことがありました。

 ロードサイド店舗の多くは労働力をアルバイトスタッフに依存しますが、そのアルバイトスタッフが定められたシフトを守らず、遅刻をしてきたり当日に欠勤をしたりすると、店舗運営に混乱をもたらします。
 特に24時間営業の店舗において、深夜勤務のスタッフが欠勤すると、誰か代わりのスタッフがいない限り、経営者や店長が深夜勤務をせざるを得ず、その負担たるや相当のものがあります。

 そこで、罰金制度を設け、そのような行為を防止しようとするケースがあるのですが、設定の仕方によっては、法的に問題が生じる場合もあります。

罰金制度の多くは違法

 労働基準法第16条には、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはいけないと定められています。
 また、同法において減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない、とされています。

 1日5,000円、月間で50,000円を稼ぐアルバイトスタッフが当日欠勤しても、1回の罰金は、1日分の半額である2,500円まで、月間トータルの罰金は、月に稼ぐ賃金50,000円の10分の1にあたる5,000円まで、ということです。

 これに鑑みると、多くの罰金制度は違法であり、合法の範囲内では罰金の効果が薄いと言えるのではないでしょうか。

ペナルティよりもインセンティブを

 悪いことをしたらペナルティを科すという考えを否定する気はありませんが、自分の悪い点にフォーカスされて良い気持ちがする人は多くないでしょう。また、そのペナルティの重さによっては、上記のように違法となってしまいます。
 昨今のアルバイトスタッフは、インターネットでそのような情報も得ている可能性もありますので、罰金を徴収された後、労働基準監督署へ駆け込むことも考えられます。

 そこで、良い点にフォーカスした賃金制度をお勧めします。具体的には、基本部分となる時給はある程度のレベルに抑えたうえで、無遅刻・無欠勤のスタッフに対して手当を設けるという賃金制度にします。ペナルティ制度を設けてもインセンティブ制度を設けても、支払い額は同じでありながら、前者は違法、後者は合法となるわけです。

 この制度を導入すると人材募集の際に、時給の低さが気になるかもしれませんが、「当店スタッフ平均時給」を訴求したり、皆勤手当があることを訴求したりすれば、そのデメリットもかなり薄れるのではないでしょうか。

 スタッフに対してペナルティとして罰金を設定すべきではない理由は、スタッフの悪い点にフォーカスすることにより、モチベーションを下げることを防止するためと言えるでしょう。

アルバイトスタッフの戦力化に関する参考コラム

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