仕事しない、動かないとスタッフに思われている店長の特徴とは

経営の姿勢

 ガソリンスタンドは、現金管理、伝達事項の作成、請求書の管理、シフト作成、本社との打合せ、クレーム対応など想像以上に後方業務が多く、それらを店長が引き受けるケースがほとんどです。

 あるガソリンスタンドの店長は、ほとんど現場に出ることがありません。1日中、事務室に籠もって後方業務を行っており、現場のスタッフは「店長は仕事をしないで事務室で遊んでいる」とイライラしながら現場を駆けずり回っています。

 その反面、現場に一切出なくてもスタッフの支持を得ている店長もいます。そこで今回のコラムでは、働きぶりをネガティブに捉えられてしまう店長の特徴とはどのようなものなのかを見ていきます。

1.仕事しない、動かないとスタッフに思われている店長の特徴とは

仕事しない、動かないとスタッフに思われている店長の特徴とは(1)コミュニケーションが貧弱

 店舗スタッフから不満が出る「事務室引きこもり系」店長の特徴として、コミュニケーション量の少なさ・質の低さが顕著である、という点が挙げられます。

 かつて店長が一般社員やアルバイトスタッフだった頃、店長は雲の上の存在だったはずですし、後方業務がどれだけあるのかも想像できなかったはずです。しかし、子どもが大人になるにつれ、子どもの感覚が薄れていくのと同じで、店長になると一般社員やアルバイトだった頃のそのような感覚が薄れていくものです。

 その感覚を失っていない店長は、現場に出ずとも店舗スタッフと積極的に関わり、コミュニケーションをとろうとします。現場に出ずっぱりの店長が意外とスタッフから慕われている要因のひとつに、結果として店舗スタッフと積極的に関わっているからというものが挙げられます。

 とはいえ店長として、現場で店舗スタッフと一緒に駆けずり回ってばかりいることは一概に良いとは言えないはずです。なぜなら、以下に述べるような店長にしかできない仕事をないがしろにしているからです。店長であるなら店長にしかできない仕事をするべきであり、それと同時にスタッフとコミュニケーションを図っていく必要があるでしょう。

仕事しない、動かないとスタッフに思われている店長の特徴とは(2)戦略的思考が浅い

 働きぶりをネガティブに捉えられてしまう店長のもう一つの特徴として、戦略的思考が浅い、というものがあります。

 組織を構成する際の原則として「例外の原則」というものがあります。これは、組織のトップは部下に権限委譲をして日常業務を任せ、戦略策定といった非日常業務、つまり例外的な業務に専念するべき、という原則です。

 後方業務が多いから現場に出ないのではなく、日常的に発生する後方業務を店舗スタッフに分担させ、自身は戦略的なシフトの作成や店舗スタッフとのコミュニケーションといった人的資源の充実、工具・機器類の管理といった物的資源の充実、金銭管理といった財務的資源の充実、情報収集と発信といった情報的資源の充実など、これら各種経営資源の充実による戦略の構築をすることは、店長しかできない仕事であると言えるでしょう。

 店長が現場に出るか出ないかという点よりも、店長にしかできない仕事をしているかいないかが問題なのではないでしょうか。

 そして、経営者として店長を雇用している場合は、店長の在り方を決めるこの点を強く店長に訴求する必要があります。ガソリンスタンドの業績は店長次第です。会社の業績は各店舗の業績の総和ですから、経営者として店長の在り方を真剣に訴求することは、当然、全社の業績につながっていきます。

 【コミュニケーションに関する参考記事】

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