ある店舗の業績が絶好調な理由を他店の店長が把握できない理由

経営の姿勢

急上昇した業績の背景

 その企業は、首都圏を中心に約40のガソリンスタンドを運営していました。その中のある店舗は、客数を前年対比400%にまで伸ばしました。

 月1回の店長会議では、他の店長から「なぜ、そんなに伸ばすことができたのか」と質問が相次ぎますが、その店長の答えは「何もしていない」というものでした。

 しかし、前年比400%ですから、普通の伸び方ではありません。何か秘訣があるはずと、各店長は、業績急上昇の理由をしつこく問い続けますが、やはり答えは「何もしていない」というものでした。

当たり前のことが当たり前ではない

 この店舗は、かつて別の企業が運営していましたが、業績不振のため店舗を同社へ譲渡し、同社が改装オープンさせた後、1年が経過しています。
 おそらく、業績急上昇の要因は、改装オープンから一定の期間が経過し、認知度が上がったこと、以前の運営者の悪いイメージを払拭できたこと、だと思います。

 そして、本社主導で認知度を上げるための取り組みを行い、店長主導で以前の運営者の悪いイメージを払拭するための取り組みも行っていました。しかし、店長主導の取り組みは、その店舗の店長にとって特別なことではなく、当たり前のことなので、「何もしていない」と答えるしかないのでした。そして、その取り組みは、他の店舗にしてみれば、当たり前のことではなかったのです。

業績を上げる魔法?そんなことより筋肉だ

 自身の店舗の業績を拡大するべく、店長会議で業績拡大の理由を知りたいという気持ちは分かりますが、本当にその理由を知りたいなら、話を聞くだけでなく、現場へ足を向けることが重要ではないでしょうか。ましてや、「何もしていない」のに客数を前年の4倍に伸ばしたのならなおさらでしょう。

 しかし、店長会議で業績急上昇の理由を尋ねる他の店長のうち、その店舗を実際に訪れた店長は皆無でした。移動の労力をかけて店舗を訪問し、自身で店舗の雰囲気を感じるという手間を省いて、業績向上の秘訣を知ろうとするのはムシが良い、というものです。

 話は変わりますが、公的機関を経由して事業者様のご支援をしていると、「お金は使いたくない、しんどい思いもしたくない、しかし業績は上げたいので魔法を教えて欲しい」といった趣旨の相談をする経営者とよく出会います。

 そんな都合の良い魔法はないわけで、当社が提供する「儲かるロードサイド店舗を作るノウハウ」フルパッケージにしても、当社が提供するノウハウをもとに事業者様に今後の取り組みを一生懸命考えていただきます。

 先日「魔法? そんなことより筋肉だ!」という連載小説をネット上で見つけました。「筋肉魔法」という「魔法の代わりに筋肉を使う究極の魔法」を操ることができるという主人公に対して「それはただの力業でしょう」とツッコミが入ります。都合の良い魔法など存在しないのです。

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