ガソリンスタンドで顧客管理をエクセルで行う方法

客単価向上

 車両のナンバープレート情報と購買履歴や接客内容などの情報を紐づけて管理することにより、その顧客に適した対応が可能になり、結果として洗車やタイヤなど油外商品の販売に結び付くことが期待できます。そこでこれを実現するために今回のコラムでは、エクセルを用いた顧客管理の具体的方法について見ていきます。

1.エクセルによる顧客管理

(1)ナンバーと情報の紐づけ

 車両のナンバープレートは、希望すると好きな4桁のナンバーを交付してもらうことが可能ですが、人気のナンバーだと抽選となります。例えば「ニコニコ」を表す2525、末広がりが縁起の良さを示す漢字の八を意識した「8888」、富士山の標高にかけた「3776」、ミニクーパー愛好家の「3298」などは人気が高いとされます。

 そのような印象に残るナンバープレートを付けた車両で来店された顧客とのやり取りは、記憶に残りやすいかもしれませんが、そうでなければ、なかなか覚えておくことができないのが通常の姿でしょう。

 そこで弊社では、車両のナンバープレート情報と購買履歴や接客内容を紐づけたエクセルでの顧客管理を提案しています。これにより、ある顧客に「神対応」と言わしめた事例を紹介します。

(2)手書き領収書を通じた神対応

 あるセルフサービスのガソリンスタンドで顧客が給油を終えた後、店舗スタッフに手書きの領収書を依頼しようとしたところ、依頼する前に店舗スタッフが、その顧客の名前が記入された手書きの領収書を持ってきてくれました。

 顧客は「私のこと、覚えてくれていたんですか」と大喜び。これは、顧客の入店時に店舗スタッフが、その車両のナンバーを店頭のパソコンに入力し、情報を呼び出したところ、過去に手書き領収書を依頼していたことや、顧客の氏名が分かったため、上記の対応をすることができました。

 また、ある顧客に店長がタイヤ交換をお勧めし「今日は時間がないので次回交換をお願いする」と言われました。後日、店長不在時にその顧客が来店し給油していたところ、店長ではないスタッフが「以前、うちの店長がタイヤ交換お勧めしたと思いますが…」とアプローチを行い、タイヤ交換の成約に結び付けたという事例もあります。

 これも、車両のナンバープレート情報から接客履歴を呼び出し、前回の店長が接客した内容を踏まえたことにより、このような対応ができています。

 では、この車両のナンバープレートと購買履歴や接客内容などの情報を紐づけ、エクセルで管理する具体的な方法について見ていきます。

(3)データの紐づけと呼び出しの手順

 ①「日付」「車両のナンバープレート情報」「接客内容や購買情報」「担当者」が書けるメモ用紙を準備し、全スタッフに常時携帯してもらいます。このメモ1枚に1台の情報を書くようにします。

 ②顧客にアプローチを行い、接客が終わったら、携帯しているメモにその結果を記入します。なお、「品川300さ1234」は「品川」という地域情報、「300」という乗用・貨物といった分類番号、「さ」という事業用・自家用などの区分、そして4桁の車両ナンバーという構成になっています。仮に、この4桁の車両ナンバーが同じ車両があったとしても、それ以外の情報で車両を特定できるため、ナンバープレートに書かれた情報は車両ナンバー以外も全て記入します。

 ③このメモを店頭のカウンターなど定められた収納場所に保管し、後ほどまとめてエクセルに入力します。エクセルはフィルター機能を使って、検索できるようにしておきます。下図は、フィルター機能の設定方法です。

 私の経験上、このデータが1万件を超えると、検索した際に過去の購買履歴や接客内容がヒットするようになってきます。すぐに成果が出ないと諦めるのではなく、成果が出るまで継続することがポイントです。これを使って油外商品を今まで以上に販売していきましょう。

2.当コラムの解説動画

3.顧客管理に関する参考コラム

4.メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】を優先的に配信しています。

メルマガ登録はこちらから↓↓↓
https://ssl.form-mailer.jp/fms/33bd5af2611330

5.電子書籍のご案内

1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編
タイトルとURLをコピーしました