ガソリンスタンドが顧客の浮気を防ぎタイヤ販売を促進させるコツ

戦略の考え方

 外したタイヤを次のシーズンにも使うのであれば、それを預かることにより、顧客の浮気を防止できるとともに、タイヤの販売、作業の効率化にも繋がる可能性が高まります。

 地域によって多少のズレはあれども、今のシーズンは、スタッドレスタイヤから通常タイヤに交換する需要が続くシーズンです。この際に、外したスタッドレスタイヤを有償で預かることにより、その顧客が、初冬に通常タイヤからスタッドレスタイヤに交換するために来店される確率は、かなり高くなります。
 そして今度は、外した通常タイヤを有償で預かることにより、春先に同店でスタッドレスタイヤから通常タイヤに交換するために来店される確率も、かなり高くなります。

 このタイヤ預りサービスは、かつて多くのガソリンスタンドが実施していました。ですが、近年はこのサービスを実施している店舗は減少した印象があります。今回のコラムでは、あるガソリンスタンドの事例を通じ、タイヤの預りサービスの有効性について見ていきます。

タイヤ預りサービス廃止に踏み切った事例

 複数のガソリンスタンドを運営する企業の傘下で、無償でタイヤ預りサービスを実施していたあるガソリンスタンドに、顧客が来店され、預けていたタイヤへの交換を依頼しました。
 そこでスタッフがそのタイヤを取り出すために保管しているピット裏の倉庫に行きました。ですが、いくら探してもその顧客のタイヤを見つけることができません。

 複数のスタッフで探したもののやはり見つけることができず、最終的にそのタイヤを紛失してしまったと結論づけ、顧客には新品タイヤを提供することで、話をまとめました。
 間違えて廃棄してしまったのか、違う顧客の車両につけてしまったのか、はたまた盗難に遭ったのか、原因は定かではありません。

 これを受け、当該企業の経営陣は、全店舗のタイヤ預りサービスについて全面的に禁止することとしました。これにより、通常タイヤとスタッドレスタイヤの交換工賃が減少することが見込まれましたが、新品タイヤで弁償するリスクや保管・管理の手間を考えた場合に、禁止した方が良いだろうと判断しました。

 結果として、交換工賃だけでなく、タイヤの販売が激減したとともに、客離れが進み、一部の店舗は閉鎖に追い込まれてしまいました。では、このような場合、どのような方策が考えられるのでしょうか。

手間がかかるなら手間賃をもらう

 タイヤの預りサービスを行うデメリットは「新品タイヤで弁償するリスクや保管・管理の手間が発生すること」です。このデメリットを解消するために顧客から支持されているこのサービスを手放すよりも、どうすれば継続できるのか、を検討するべきだったと言えるでしょう。

 保管・管理の手間をかければ、紛失の可能性は低くなり、新品タイヤで弁償するリスクは低下します。よって、保管・管理の手間をしっかりとかける必要があります。そのためには、無償ではなく有償で預かることに妥当性があるのではないでしょうか。

 経験した方なら分かると思いますが、ガソリンスタンドでスタッドレスタイヤから通常タイヤに交換してもらい、スタッドレスタイヤ4本を自宅に持ち帰るのは相当な手間がかかります。年間数千円支払えば、スタッドレスタイヤも通常タイヤも預かってくれるなら、お願いする顧客は相当数存在するものと思われます。

 預かったタイヤを保管するスペースが心配であれば、トランクルーム・レンタル倉庫を借りれば足りるわけで、その分の料金も預かり料金に上乗せすれば良いでしょう。

 これにより、顧客の固定化が可能となりますが、それがタイヤ販売や作業の効率化にも繋がります。

タイヤを預かるメリット

 タイヤの預りサービスがタイヤ販売に繋がる理由は、タイヤを預けた顧客側としては、そのタイヤを新品にする必要がある場合に、他店で購入して同店に預けることは心理的な抵抗があるはずですので、同店に発注する可能性が高まるためです。

 よって、タイヤを預かる際に、次のシーズンには使えないほど摩耗や劣化が進んでいた場合に交換をお勧めすることにより、タイヤ販売が可能となるだけでなく、成約した場合は、次のシーズンまでに古いタイヤがついていたホイールに新品への装着作業を済ませておけば良いので、時間のあるときに作業ができ、暇な時間の有効活用が可能となり、効率化に繋がります。ポイントは、数年かけてタイヤを買っていただける顧客に育てていく、という視点です。

 以上より、ガソリンスタンドが顧客の浮気を防ぎタイヤ販売を促進させるコツとして、有償のタイヤの預りサービスを展開が挙げられると思いますが、いかがでしょうか。

タイヤ販売の参考コラム

 ■ガソリンスタンドが空気圧点検だけの利用を歓迎するべき理由
 ■だから売れない。ガソリンスタンドでタイヤが売れない4つの理由
 ■量販店の隣接するガソリンスタンドがタイヤ販売を促進出来た理由

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