【実録】ガソリンスタンドが選択と集中をする3つのメリット

客単価向上

 「うーん。。。タイヤですかねぇ?」
 そのスタッフは、しばらく考えた後にこう答えました。

 当時私が店長を務めていたガソリンスタンドに、小規模な店舗から転勤してきた、そのスタッフは、もともと高い販売力を持っていました。赴任当初は当店の客数に目を輝かせて販売に当たっていましたが、どうも最近元気がない。

 そこで、話を聞いたところ、以下のことが分かりました。

 ・洗車やオイルなどガソリン以外の商品、つまり油外商品を販売しなければいけないことは分かっている。
 ・顧客に応じた接客で色々な油外商品を販売したいのだが、客数が多すぎて、誰に何を売るべきか分からない。
 ・結果として、なかなか売れず、困っている。

 そこで、一番販売が得意な商品は何かと尋ねた時の答えが冒頭の台詞です。この回答を受け、色々な油外商品を売るのではなく、タイヤだけを売ればいい。このスタッフと私はこのように結論づけました。

 その結果、他のスタッフも巻き込んで、タイヤの大量販売が実現することとなります。今回のコラムでは、当時の私の体験を踏まえて、ガソリンスタンドが油外商品の選択と集中をするとどのようなメリットが得られるのかを見て行きます。

選択と集中をするメリット1:販売効率が上がる

 タイヤだけ売れば良いことになった冒頭のスタッフは、全ての顧客に空気圧の点検をするようになりました。それにより、擦り減ったタイヤを見つけ、販売に繋げていきます。これが他のスタッフにも広がっていきましたが、より業績を上げるには、顧客がタイヤを買いやすくする必要がありました。

 タイヤは、千円2千円で買えるものではありません。4本で万単位になるものがほとんどですので、クレジットカードを持っていただければ買いやすくなります。そこで、スタッフの役割分担をしました。

 その役割とは、女性スタッフを中心とした当店オリジナルのクレジットカードをお勧めする役割と、冒頭のスタッフを中心としたタイヤの空気圧点検をする役割の2つです。これにより、クレジット会員が増加し、効率的なタイヤ販売が可能となりました。

 ポイントは、クレジット会員を増やせば、何かの油外商品を買ってくれるだろうという考え方ではなく、タイヤを売るためにクレジット会員を増やすという目的意識を明確にすることです。何となくクレジット会員を増やしても、業績に結び付く可能性は高くありません。

選択と集中をするメリット2:卸売元の支援が手厚くなる

 タイヤ販売が増加してくると、当然、仕入れる量も増加し、タイヤの卸売元の売上に占める当店の割合が大きくなってきます。それは、当店が卸売元の主要顧客になっていくことを意味します。

 タイヤの卸売元は、小売店の支援として、チラシやのぼり、POPの提供、当店のスタッフ向けにタイヤ販売や交換作業の研修の開催、仕入れ値の調整などをしてくれます。ですが、チラシやのぼり、POPであればその提供頻度と迅速性、研修であれば開催頻度と教える側の熱意、仕入れ値の調整であれば調整幅が大きく変わりました。

選択と集中をするメリット3:差別化ができる

 当時、私が勤務していたガソリンスタンドの前面道路を挟んで、競合する同規模のガソリンスタンドがありました。

 お互いにお互いのことを意識しながら営業していたわけですが、当店がタイヤを選択し、集中したことにより、スタッフの意識は「タイヤのことだったら他店に負けない」という方へ変化していき、それが顧客とのやり取りに強さを与えるようになりました。

 それに伴い、顧客の口コミでタイヤの相談に来られる方も増加し、他のガソリンスタンドと明確な差別化ができるようになりました。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドが選択と集中をするメリットとして、1.販売効率が上がる、2.卸売元の支援が手厚くなる、3.差別化ができる、を挙げました。

 多岐に渡る油外商品の選択と集中をすることは、それ以外の油外商品は捨てる、ということを意味します。ですが、今回の事例ではタイヤの販売をきっかけに、様々な油外商品の販売にも結び付いていったことを申し添えておきます。

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