ゴールデンウィーク前のガソリンスタンドが行うべき販売促進策

客単価向上

 買い物は、現状を維持するための買い物と、現状をさらに良くするための買い物があります。ガソリンスタンドで言えば、バッテリーやタイヤ交換は、車のトラブルを防ぐという点からは前者、コーティング洗車などの高額洗車は、車をよりきれいにしたいという点からは後者に該当するでしょう。

 そしてゴールデンウィークを控えた今は、前者、つまり車のトラブルを防ぐ重要性をアピールする絶好の機会であることに留意したい時期です。
 今回のコラムでは、ゴールデンウィークを控えたこの時期にどのような販売促進策をとるべきかを見ていきます。

ゴールデンウィーク前の告知活動が重要

 ゴールデンウィークに入ってしまうと、特に住宅地ではなく街道に立地するガソリンスタンドでは、帰省や旅行などの一見客の割合が大幅に増加します。
 この一見客にバッテリーやタイヤ交換など、ガソリン以外の油外商品をお勧めしても、いつも整備を依頼している店舗がある可能性が高いため、緊急時以外では購買は期待できないでしょう。

 よって、ゴールデンウィークを活用した販売促進は、ゴールデンウィーク前に既存顧客に対して告知することが重要です。では、何を告知すれば良いのでしょうか。

JAFの公表データを活用する

 JAF(一般社団法人・日本自動車連盟)は、車のトラブルがあった場合に、救援要請を受け付け、対処する機関です。さらにその出動内容を統計データとして公表していますが、その中に、2017年のゴールデンウィーク中に発生したトラブル関連があります。

 2017年のゴールデンウィーク(2017年4月29日~5月7日)にJAFが全国で行ったロードサービスは以下の内容となっています。

 【一般道路編】
 1位 過放電バッテリー 20,923件 全体の35.7%
 2位 タイヤのパンク 9,143件 全体の15.6%
 3位 キーとじ込み 5,079件 全体の8.7%

 【高速道路編】
 1位 タイヤのパンク 905件 全体の29.2%
 2位 燃料切れ 378件 全体の12.2%
 3位 過放電バッテリー 221件 全体の7.1%

 このような統計データをチラシにまとめ、店頭でハンドアウトしたり、新聞折込みで広く配布したりすることにより、バッテリーやタイヤに意識を向けていただくことが可能です。そして、チラシを最後まで読んでいただけるように、また、販促効果を高めるために、チラシの下右端に切り取り線付きのクーポン券を印刷しておくと良いでしょう。

 そして、このチラシの内容について、気を付けたい点があります。

そのチラシは顧客の役に立つチラシですか?

 上記のトラブルに関するデータを掲載し、だからバッテリーを、だからタイヤを交換しましょうというトーンのチラシは、いたずらに消費者の不安をあおり、売らんかなという姿勢が強いガソリンスタンドとも捉えられかねません。

 そこで例えば、不幸にも高速道路でパンクしてしまった場合における以下の対処策なども記載することをお勧めします。
 ・路肩でのタイヤ交換は危険なのでしない
 ・高速道路上では絶対に歩き回ってはいけない
 ・後続車に停車中であることを合図する
 ・発煙筒の使い方
 ・停止表示器材は予め購入しておく
 ・車内には残らず、安全な場所に非難する
 ・通報や連絡は避難してから行う

 このような内容を訴求し、安全運転に意識が向いている親切なガソリンスタンドである、という認識を消費者に訴求したいところです。もっとも、実際にご来店された顧客に対して、親切な対応ができなければ元も子もなくなってしまうことは言うまでもありません。

 ゴールデンウィーク前のガソリンスタンドが行うべき販売促進策として、JAFの出動内容や、トラブルへの対処を訴求していくことを見てきました。ゴールデンウィーク中の販売よりもゴールデンウィーク前の販売が重要であることを強く意識して、販促活動に取組みたいものです。

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