ガソリンスタンドで発生するクレームを予防するための対応とは

経営の姿勢

ガソリンスタンドで発生する給油ミスとは

 ガソリンスタンドの主力商品は、当然のことながらガソリンをはじめとした燃料油なわけですが、それらを給油する台数が多ければ多いほど、給油ミスが発生するリスクも高まります。反面、給油作業の経験値も蓄積されてきますが、その経験がミスを呼ぶこともあります。

 車は、ガソリンか軽油を燃料としていますが、フルサービスのガソリンスタンドにおいて、店舗スタッフが、ガソリン車に軽油を給油してしまうケース、またその逆に、軽油車にガソリンを給油してしまうケースがあります。これは、新人スタッフに多いミスです。
 この場合、ガソリンと軽油は基本的な成分が違いますので、違う燃料を給油された場合、最初はエンジンがかかっても、いずれ止まってしまい、走行は不可能となります。

 また、ガソリンには、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンがありますが、ハイオクの給油という注文に対して、レギュラーガソリンを給油してしまうケースもあります。これは、ベテランスタッフに多いミスです。経験上、この車はレギュラーガソリンの給油である、と判断してしまうのです。
 ハイオク仕様の車両にレギュラーを給油すると、燃費が悪くなったり、最高出力が出なくなったりしますが、ハイオクもレギュラーもガソリンですから、エンジンに深刻な影響を及ぼす可能性は高くないと考えられます。

顧客の怒りを増幅させる言動

 ハイオク仕様の車両に間違えてレギュラーを給油しても、大きなエンジントラブルには繋がりにくいわけですが、その後に適切な顧客対応をしないと、クレームに発展する可能性が高まってしまいます。

 あるガソリンスタンドで、ハイオク仕様の車両で来店された顧客が「ハイオク満タン」と店舗スタッフに依頼し、給油後、会計時にいつもよりも金額が安かったため、「本当にハイオクを入れたのか」と聞いたところ、レギュラーを満タンにしてしまったとのことでした。

 顧客「なんでレギュラー入れたの?」
 スタッフ「いえ、車は走りますから大丈夫ですよ」
 顧客「車は走るんだろうけどさ、なんでレギュラー入れたの?」
 スタッフ「いえ、車は走りますから大丈夫ですよ」
 顧客「なんでレギュラー入れたのか、聞いてんだろ?責任者呼んで来い!」

 このようなクレームに発展してしまったわけですが「なんでレギュラー入れたの?」と聞かれたスタッフが率直に謝罪していれば、話はこじれなかったのかもしれません。

 人は尋ねたことに対して答えを得られないと不満を覚えます。予想されるその答えが明確であればあるほど、不満が高まります。なぜレギュラーを給油したのかという顧客の質問に答えず、その場を上手く丸め込もうとするスタッフの意図が透けて見えただけに、顧客の怒りは倍増してしまいました。

 さらに、給油したレギュラーガソリンの代金をどうするか、という論点が残ります。
 代金をいただかない代わりに給油したレギュラーガソリンを車両から抜くのは、顧客の待ち時間が発生することになりますし、給油してしまったのだからと、代金をいただくのも、店側のミスである以上、顧客は納得しにくいでしょう。

 これらを踏まえると、以下のような接客が望ましいと考えます。

 顧客「なんでレギュラー入れたの?」
 店員「申し訳ございません。うっかりしておりました。当方のミスですから、今回のレギュラー給油分は当店が負担させていただきます。店舗責任者からも常々、今回のような場合は、お客様から代金はいただいてはいけないと指導されております。本当に申し訳ございませんでした。」

ありがちなクレームへ対応する

 本来、給油ミスはないに越したことはありません。ですが、人間が給油する以上、ミスが発生する可能性はゼロではありません。そこで、油種を間違えて給油してしまった場合にどうするか、想定しておくことも重要なのではないでしょうか。

 発生してしまった結果に対する行動を「反応」といい、発生しそうな結果に対する行動を「対応」といいます。給油ミスが起こって、さてどうしようかと右往左往するのは「反応」です。これに対して、どのようなミスが起きる可能性があり、その場合にどうするか、行動を決めておくのが「対応」です。

 ガソリンスタンドで発生するクレームを予防するための対応とは「反応」と「対応」を明確に区別し、起こり得るミスを想定し、その場合、どのように顧客と対峙するかを店のルールとして決めておくことと考えますが、いかがでしょうか。

クレームに関する参考コラム

 ■店舗で暴力を振るい警察沙汰になった顧客からのクレーム対応
 ■表出しないクレームを認識するために飲食店がとるべき行動
 ■責任者がクレームを受け必要以上に振り回されてしまう残念な理由

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