ガソリンスタンドが洗車でトラブルを防ぎ売上を向上させるコツ

経営の姿勢

書き入れ時はトラブルも増えがちになる

 年末の洗車ラッシュに備えて、洗車機に異常がないか、メーカーの作業員に点検をしてもらったり、早めに洗車機用シャンプーやワックスを発注したりするなど、準備に余念のないガソリンスタンドが多いことと思います。

 1年で1番の書き入れ時ですので、ぬかりなく準備をしておきたいものですが、需要が多くなるということは、作業ミスやトラブルが発生する可能性が高まることも意味しています。

 年末に限りませんが、セルフサービスのドライブスルー洗車ではなく、スタッフが顧客から受注し、洗車作業をする昔ながらの洗車におけるトラブルで多いのは、窓を開けっ放しで洗車をしてしまった、というものです。

 窓を開けっ放しで洗車をした場合、当然のことながら車内は濡れます。そして、車内のカーナビやカーステレオが水浸しになってしまったら、高額な賠償額を請求される可能性があります。

なぜ窓を開けっ放しで洗車してしまうのか

 顧客が車両に乗ったまま、洗車を店舗スタッフに依頼する場合は、スタッフに声を掛けるために、運転席側の窓を開けて依頼するか、窓を閉めたままドアを開けて依頼します。
 運転席側の窓を開けた車両に乗る顧客から洗車を受注したスタッフは、その車両を洗車するために、顧客から車両を預かり、自身が乗り込み、洗車機へと移動させ、運転席側の窓を閉めてから洗車機に入れます。

 ここでのポイントは、運転席側の窓にはスタッフの意識が向きますが、それ以外の窓には意識は向きにくいということです。

 窓を開けっ放しで洗車をしてしまうケースで特に多いのは、助手席の窓や後部座席の窓が少しだけ開いているケースです。顧客がガソリンスタンドに入店する前、車両で移動している際に、助手席や後部座席に乗っていた人が、車内で暑さや匂いを感じたときに、運転する人に気兼ねして、何も言わずに窓を少し開けるのです。
 そして、開けた本人はそのまま閉めるのを忘れ、運転する側はそれに気付かず、そのまま車両をスタッフに預けてしまいます。スタッフは運転席側の窓に意識が向いていますので、それ以外の窓は開いたまま洗車してしまうという流れです。

 また、開閉式サンルーフも盲点です。あるガソリンスタンドでは、車両のサンルーフが全開になっている状況で洗車をしてしまい、上述のように車内のカーナビやステレオを水浸しにしてしまいました。

 よって、洗車を受注したら、運転席以外の窓、そしてサンルーフが閉まっているかを確認する必要があります。

窓を開けっ放しのまま洗車をしないために

 全ての窓・サンルーフが閉まっているか、この確認作業をしたかしないか、がポイントになりますが、このことは、洗車前の窓・サンルーフの確認作業を洗車作業の一連の流れに組み込んでいるかいないか、がポイントになる、ということです。

 一般に洗車作業は、受注→車両移動→洗車機稼働→車両移動→仕上げ作業、という流れで行われますが、受注→「窓確認」→車両移動→洗車機稼働→車両移動→仕上げ作業、という流れを定め、窓・サンルーフの確認を作業の一部に組み込み、窓を確認せざるを得ないようにすることで、かなりの確率で窓開け洗車を防ぐことが出来るのではないでしょうか。

 もっとも、その流れを定着させることは、店長や経営者の勤めとなります。「洗車の際は、窓が閉まっているかどうか確認して下さい」と言いっ放しにするのではなく、いつ、だれが、どこで、どのように確認するのかを定めること、そして、確認したら洗車受注シートに印を付けさせることが必要でしょう。
 【参考記事】人手不足のガソリンスタンドが洗車で儲けるオペレーションとは
 このような取組みにより、洗車時のトラブルがなくなれば、顧客満足も高まり、スタッフがミスで落ち込むこともなく、売上向上に繋がる可能性が高まります。

 つまり、ガソリンスタンドが洗車でトラブルを防ぎ売上を向上させるコツは、指示を出しっ放しにするのではなく、具体的な行動を定めること、そして、行動の結果を可視化させることだと言えるのではないでしょうか。

洗車に関する参考コラム

 ■ガソリンスタンドの手洗い洗車で油外収益を向上させるコツ
 ■ガソリンスタンドで受注した洗車関連のトラブルを防ぐ方法
 ■人手不足のガソリンスタンドが洗車で儲けるオペレーションとは

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