生き残るガソリンスタンドは油外を売る店か油外が売れる店か

戦略の考え方

油外商品の押し売り

 ガソリンの需要が冷え込む中、ガソリンスタンド関係の方々は、ご自身が関係するスタンドが生き残るためにどうするべきか、という課題を抱えているはずです。そして、その解決策としてガソリン以外の商品である油外商品の販売を主眼に置いていると思います。

 そのような方々は、ぜひインターネットを使って「ガソリンスタンド 押し売り」というワードで検索してください。個人的なブログ、質問サイト、挙げ句の果てには動画サイトまで、ガソリンスタンドの油外販売がいかに不快であるか、という内容がずらりと並んでいます。

 そのような認識を持っている消費者が多数存在する現状を踏まえ、今回のコラムでは、いかにガソリンスタンドが生き残っていくべきかという点を見ていきます。

 プッシュ戦略とプル戦略

 下図のようにマーケティングには、プッシュ戦略とプル戦略があります(クリックすると拡大します)。

 プッシュ戦略は、店舗側が顧客へ押していくイメージで、ダイレクトメールや店頭の告知物といった「狭義の販売促進」、スタッフの声掛けといった「人的販売」があります。

 プル戦略は、店舗へ顧客を引き寄せるイメージで、新聞折込みチラシやホームページなどの「広告」、業界誌や新聞などにニュース素材として取り上げられるように活動する「パブリシティ」があります。

 そして、押し売りと呼ばれるのは、プッシュ戦略の人的販売が強引な場合です。しかし、この人的販売が良くないのはなく、人的販売だけに頼って油外商品を売ろうとするから、強引にならざるを得ず、押し売りと捉えられることに気が付かなければなりません。

 よって、他の手法であるプッシュ戦略の「狭義の販売促進」、プル戦略の「広告」・「パブリシティ」もバランス良く活用し、「人的販売」を補完することが必要です。

 さて、自店が行った押し売りの反省から、接客を見直し、安定した業績を出し続けているガソリンスタンドが長崎県にあります。

売上前年対比100%以上を毎年達成するガソリンスタンド

 平成28年5月に経済産業省資源エネルギー庁から発表された「SS経営に関する優秀事例」に掲載された、株式会社ボスコが長崎県島原市に展開する島原FS店では、かつて、油外商品の販売を意識しすぎて、押し売りと捉えられ、顧客から敬遠されたという苦い過去を持っています。

 ですが、その後、笑顔・会話・声出しを意識し、顧客サイドの立場から接客するようにプッシュ戦略の「人的販売」を改めるとともに、「狭義の販売促進」のひとつであるダイレクトメールの活用を心がけた結果、顧客から油外商品購買の声が掛かるようになり、ここ数年の売上高は、前年対比100%~120%で推移しています。

 なお、前述の「SS経営に関する優秀事例」に掲載されることは、プル戦略のひとつである「パブリシティ」に該当します。

 この事例のポイントは、顧客から声が掛かるようになった、という点です。そして、このように、油外を売るのではなく、油外が売れるガソリンスタンドは、人的販売だけに依存せず、それ以外のプッシュ戦略、プル戦略をバランス良く実施していることが分ります。

 生き残るガソリンスタンドは、押し売りで油外を売る店ではなく、バランスの良いマーケティング戦略で油外が売れる店である、と言えるでしょう。

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