飲食店が販売促進を検討する際に着目したい4つの視点

戦略の考え方

販売促進の手法

 ある飲食店では、平日の集客を推進するために、平日にご来店いただいた顧客へその日の飲食料金に対して約5%相当の割引券を会計時に配布しています。この割引券は、次回以降の飲食に使うことができ、1回に利用できる枚数に制限はかけていません。

 この飲食店が、新たな販促策を行っていく、もしくは、この販促策を強化するためにどのような打ち手があるのでしょうか。

 販売促進戦略は、広告・パブリシティといったプル戦略、狭義の販売促進・人的販売といったプッシュ戦略から成り立ちますので、この4つの視点から検討することが一般的です。

 プル戦略は、顧客を引き寄せる戦略です。プル戦略のうち、広告として現在一般的なのは、新聞折込みチラシやネット広告、フリーペーパーなどが主流でしょう。また、パブリシティという手段もあります。これは、報道機関に自社のニュース素材を提供することであり、取り上げてもらえると大きな反響が見込めます。
 【参考記事】
 経営革新計画の承認制度

 これに対してプッシュ戦略は、ご来店いただいた顧客の購買確率や購買数量を向上させていく戦略です。プッシュ戦略のうち、狭義の販売促進には、ハンドアウト用のチラシ、POP、ダイレクトメール、試供品提供などがあります。また、人的販売は店舗スタッフが提案や説明をして販売していくわけですが、モチベーションの維持・向上が大きなポイントとなります。
 【参考記事】
 ベテラン社員のモチベーション
 モチベーションアップの方法
 自信とモチベーション
 年上の部下への対応

販売促進策見直しの事例

 冒頭の飲食店は、プッシュ戦略のうち、狭義の販売促進として、割引券を配布していますが、プル戦略はしっかり行えているのかを検討します。広告は適正なものなのか、パブリシティとしてどのような取り組みができるのか、ということです。
 検討のポイントとして、ホームページの充実度、特に経営理念、経営者や店舗スタッフの写真が掲載されているか、お問い合わせのフォームがあるかをチェックします。
 また、パブリシティを行う際は、経営革新計画の承認を得ることが有効なので当該計画の立案を検討します。

 プッシュ戦略としては、現在、狭義の販売促進として配布している割引券の使い方や内容を検討します。現在の割引券は、その顧客自身の再来店のみに着目していますが、その顧客からの紹介による新規顧客の来店も促したいところです。
 よって、1回に利用できる枚数に制限をかけます。具体的には、お1人様1回ご来店で1枚限り有効という制限を設けます。これにより、割引券が何枚も溜まった顧客は友人、知人にその割引券を配布することが期待でき、顧客数が増加する可能性が高まります。

 また、人的販売としては、まずは評価制度や賃金制度を定めるとともに、承認・責任・達成感などの動機付け要因の充足の仕方を検討します。

 このように、広告・パブリシティというプル戦略、狭義の販売促進・人的販売というプッシュ戦略を偏りなく検討することにより、有効な販売促進戦略が構築できる可能性が高まります。
 有効な販売促進戦略は一朝一夕で出来上がるものではありません。しかし、1度出来上がってしまえば、中長期的な売上に大きく寄与するものとなり得ます。
 脂肪を蓄えても筋肉量を増加しても体は大きくなりますが、筋肉量を増加させることは、体がたくましくなり、少々のことでは揺らがなくなります。たくましい経営には、時間をかけて練り上げた販売促進戦略が必要なのです。

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