油外商品で収益を向上させるガソリンスタンドのセールスルーム

戦略の考え方

「ガソリンスタンドで洗車を頼んでも・・・」

 ガソリンスタンドの待合室を業界ではセールスルームと呼びます。これについて、洗車専門店を新たに展開しようとする経営者が私に言いました。
 「ガソリンスタンドで洗車を頼んでも、待合室の居心地が悪い店舗が多いので、これから当社が立ち上げる洗車専門店では、本当に寛げる待合室を作ろうと思います」

 ガソリンの製造業者とガソリンスタンドの運営業者は別資本のケースがほとんどなのですが、かつて、製造業者は、激しいシェア争いに勝利するべく、自社のガソリンを大量販売してくれた店舗には、後日、仕入れ値の調整をすることが慣例となっていました。

 しかし、先日、出光と昭和シェルが経営統合を決めたように、メーカー単独で生き残りが困難な中、ガソリンスタンドに対して、仕入れ値を下げるような体力はもはや残っていないと言えるでしょう。

 そこで、ガソリンスタンドは、製造業者に頼ることなく、収益をあげるために、洗車やオイル、タイヤなどガソリン以外の商品(油外商品)を販売することが生き残りの手段なっています。

 仮に、洗車を勧められて、顧客がそれに応じた場合、15分~30分程度は待つことになります。ところが、店舗はガソリンで儲かっていた頃のままの店舗ですから、セールスルームの居心地は、さほど考慮されていないケースが多く、居心地が良いと言えるセールスルームを備えたガソリンスタンドは少ない印象があります。これに着目したのが冒頭の経営者でした。

雑誌類のない待合室

 かつて、雑誌や書籍が全くないセールスルームを備えたガソリンスタンドに入店したことがあります。経費削減なのか、スマホが雑誌の代替手段になると判断したのか分かりませんが、理美容室などは、顧客が待つことが前提ですので、必ず雑誌類が置かれています。

 油外商品を販売するなら、その作業に時間がかかりますから、顧客は待つことが前提となります。しかし、セールスルームに雑誌すら置かれていないのは、商売の仕方に矛盾をはらんでいます。油外商品を購入し、その作業を待っている間に居心地の悪さを感じると、二度とその店舗で油外商品の購入はしなくなるでしょう。

セールスルームに置く雑誌の選び方

 セールスルームに雑誌を置く際は、「油外商品を買うお客様」とはどのような人なのか、を検討して雑誌類を選択するとよいでしょう。

 例えば、洗車をガソリンスタンドに依頼する人の中には、自宅が集合住宅で洗車スペースがない方がいます。そのような方のために、戸建て住宅に関する雑誌を置くことが考えられます。同様に、お客様を自身の車に乗せるために洗車を依頼する人もいます。そのような方のために、雑談のネタに関する雑誌類を置くことも考えられます。

 自店の油外商品のうち、主力商品を定め、それを購入する方がどんな方なのかを想定し、その方たちが好む雑誌類を置くことが重要です。ただ何となく週刊誌を置くよりも価値のある待合室となります。

顧客が感じる待ち時間のストレスを解消する

 セールスルーム内のテーブルに油外商品のチラシやパンフレットが乱雑に置かれているケースも多々見受けます。油外商品を売りたいがための結果でしょうが、それらは最小限にして、顧客の待ち時間のストレスを解消しましょう。

 チラシを置くなら、セルフのガソリンスタンドであれば、給油に費やすことのできる時間は消防法で4分以内と定められていることや、給油しようとしてもすぐに止まってしまう場合は、ノズルを浅く入れ直すことが有効なことなど、顧客に役立つガソリンスタンドの専門知識を記載したチラシの方が喜ばれます。

 さて、貴店では、顧客の待ち時間を快適にするためにどのような取組みをしていますか?

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