少子高齢化時代における子供を標的にチャンスを見出した取り組み

戦略の考え方

災害レベルの猛暑がもたらす雑草の生育

 今年の夏は、災害レベルの猛暑でしたが、昨今は気温が30度を下回る日も現れるようになり、徐々に暑さも落ち着いてきている印象があります。
 しかし、このまま一気に涼しくなるとは考えにくく、暑さがぶり返したり、落ち着いたりを繰り返し、徐々に秋へと季節は移ろいで行くわけです。

 さて、弊社がご支援している会社に、行政から委託され河川管理を行う会社があります。水害防止のためにパトロールなどを行うわけですが、この河川管理事業の一環として河岸の草刈りがあります。
 単に草刈りと言っても、刈払機と呼ばれる草刈り用の機械や、それを取り扱う刈払機取扱作業者という公的な資格が必要なのですが、同社は社員全員がこの刈払取扱作業者の資格を保有しています。

 今年の猛暑は、雑草の生育を促進させました。これに音を上げたのが、広大な土地で農業を営む方々です。このような方々は、農作物の育成作業の傍ら、農地の草刈りを行うわけですが、雑草の生育が早く、草刈りに手が回りません。ましてやこの暑さです。体が追いついていきません。

 これにビジネスチャンスを見出したのが同社でした。民間の農地保有者に対して、1平米いくらで草刈りを行うという料金表を作成し、受注をしています。
 前述の通り、同社は長年、資格保有者が河岸の草刈りを行ってきており、草刈りのノウハウがあります。便利屋さんやシルバー人材センターなどが行う草刈りとは、時間も品質も違うわけです。
 猛暑という外部環境をチャンスと捉えるとこのような取り組みが生まれます。

少子高齢化をチャンスと捉えた事例

 地球温暖化という外部環境の他に、取り沙汰されるキーワードは少子高齢化です。国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の人口は、2010年の2,948万人から、2060年には3,464万人となり、高齢化率(高齢人口の総人口に対する割合)は2010年の23.0%から、2060年には39.9%となり、2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています。

 高齢者の人口に占める割合が増えるということは、子供1人に対する出費を担うことのできる人が増えることを意味します。かつては子供の父親、母親、父方の祖父母、母方の祖父母と6人の財布が1人の子供に使われました。
 これを6ポケットと呼びますが、高齢化が進むと祖父母の上の世代の財布も動き、6ポケットから8ポケット、10ポケットとなるかもしれません。

 ここに着目したのがランドセル業界です。ランドセルの平均価格は4万円であり、5万円を超えると高級品と呼ばれる中、10万円を超えるランドセルも市場投入されています。
 結果として2010年に350億円の規模であったランドセル市場は、2016年には600億円まで拡大しました。

 なお、ランドセルが一番売れるのは、親族が一同に会するお盆期間なのですが、今年は災害レベルの猛暑により、外出を控える高齢者が多かったことから、ランドセルの売れ行きは今一歩ということです。今後は、ここにビジネスチャンスを見つける事業者が現れてくるかもしれません。

 ビジネスチャンスはどこに転がっているのか分からないものです。また、転がっていてもチャンスと認識できなければビジネスに活かすことは困難となります。よって常にアンテナを立てると同時に、その事象の活用方法を検討していく必要があります。

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