窓拭きを通じた儲かるフルサービスのガソリンスタンドにする戦略

戦略の考え方

雨の日のガソリンスタンド

 昨日、一昨日と関東地方は雨でしたが、このような天候の日は、ガソリンスタンドは大幅に客足が落ちます。その理由は、洗車の需要が減少するためです。

 なぜ雨の日は洗車をしないかというと、当然のことながら、洗車をしても車がまたすぐに濡れるからです。車が濡れている状態だと、路面が乾くとその埃が付着し、すぐに汚れるからです。

 店舗スタッフが給油などを行うフルサービスのガソリンスタンドでは、それを知っていながら、雨の日に無駄ではないかと思われるサービスを行っています。

「窓は拭いてもよろしいですか」

 フルサービスのガソリンスタンドでは、給油中に車の窓拭きをする際に、顧客に「窓は拭いてもよろしいですか」と確認をします。これは、自分の車を必要以上に触れられることを嫌がる顧客、ガラスに独自のコーティング加工をしている顧客は窓拭きを望まないためです。

 そんな中、あるガソリンスタンドで働くスタッフが発した、以下の発言に接する機会がありました。

 「雨の日の給油時に『窓は拭いてもよろしいですか』と訊くと、大体のお客様は『雨だから拭かなくていいよ』と答えるんですが、中には『お願いします』と言ってくるお客様がいるんです。またすぐに濡れるんだから拭かなくていいと思うんですけどね」

 拭いてもすぐに濡れることが分かっていながら、スタッフに「窓は拭いてもよろしいですか」と訊かせている店長や経営者は、これを見逃してはいけません。多くのスタッフがそう思っているはずですし、現場経験のある店長や経営者も同様のことを思っていたはずです。

 とはいえ、晴れた日と雨の日でサービスに差を付けるのはどうかと思う、という方に考えて欲しいことがあります。

窓拭きによる機会損失

 フルサービスのガソリンスタンドにとって、窓拭きの負荷は大きなものがあります。月間販売量200㎘(200,000ℓ)、1台あたりの平均給油量が20ℓのガソリンスタンドであれば、月間10,000台の顧客が同店を訪れる計算になります。

 この10,000台全てに1台1分の窓拭きを行っていたとしたら、月間で窓拭きに費やした時間は10,000分、167時間弱となります。1日8時間労働のスタッフが21日もの間、窓拭きだけをしていた、という計算になります。

 ガソリンや軽油などの燃料油以外のオイルや洗車といった商品は、油外商品と呼ばれ、ガソリンスタンドの収益源となっていますが、1日8時間労働のスタッフが21日間、ひたすら油外商品の販売を行ったら、それ相応の収益が上がるでしょう。それをみすみす手放しているのが、窓拭きを行うフルサービスのガソリンスタンドなのです。

 とはいえ、フルサービスのガソリンスタンドとしては、長年行ってきた窓拭きを止めて、油外商品の販売を強化するのは、顧客からの反発も予想されますので、対応を検討する必要があります。

窓拭きをしないことによる機会創出

 窓拭きをせずにその時間を油外商品の販売に充てることが出来るとしたら、それは機会創出となります。機会を創出してくださった顧客には、それ相応の利益を提供する必要があるでしょう。

 例えば「窓は拭いてもよろしいですか」と訊いた場合に、「拭かなくて良い」と応えた顧客には、ガソリンや軽油といった燃料油に対して1円/ℓの割引をしたとします。

 極端な例ですが、月間販売量200㎘(200,000ℓ)のガソリンスタンドの顧客全てが「拭かなくて良い」と応えた場合、値引き額は200,000円、1日換算で7,000円弱です。オイル交換2台、タイヤ交換1台程度の利益額と同等です。

 もちろん、強引な押し売りは御法度ですが、窓拭きの省略で出来た時間を油外販売に充てることができれば、燃料油の割引分は取り返すことができるのではないでしょうか。

 さらには、雨の日は窓拭きを望む顧客は少ないわけですから、窓拭き省略で1円/ℓ引きというサービスは、雨の日は安くなる、という認識を植え付け、集客にも寄与するのではないでしょうか。

 窓拭きを通じた儲かるフルサービスのガソリンスタンドにする戦略として、窓拭きによる機会損失を検討し、機会創出に対するインセンティブを提供することにより、油外商品の販売を強化するというものがあるでしょう。

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