「○○Payで」って言うのが恥ずかしい
牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズが、QRコード決済の「PayPay(ペイペイ)」を導入して2週間が経過しました。また、PayPay導入と同時に、LINE Pay、楽天Pay、WeChat Pay、Alipayもあわせて導入されました。
スマホに表示されたQRコードを店舗スタッフにスキャンしてもらう必要が無く、券売機にかざすだけで決済出来るわけですが、導入から2週間が経過して、店舗スタッフに「○○Payで」と言わなくて良い点が評価されているようです。
「私は『ぺいぺいで!』って言えないから使えなかった」、「若干恥ずい」、「小っ恥ずかしいよね…」、「言うのに慣れない(笑)」―こんな声がTwitterには上がっています。
そのTwitterを見ていると、自社が運営するガソリンスタンドで電子マネー決済ができるようになったり、電子マネー決済をすると各種特典があったりすることを告知するつぶやきを目にすることが多くなりましたが、まだ少数派といった感じです。
ですが、セルフサービスのガソリンスタンドこそ、早めに電子マネー決済を取り入れるべきと考えます。それは次に挙げる理由からです。
理由その1:支払方法を聞く必要が無いため
店舗スタッフが給油してくれるフルサービスのガソリンスタンドで働く店舗スタッフは、顧客に対して、支払方法が現金なのかクレジットなのかを聞いてから給油します。
この現金とクレジットカードの他に、各種交通系電子マネーやQRコード決済が加わり、ここまで支払の選択肢が広くなってしまうと、給油前の確認で一苦労するでしょう。
これに対して、セルフサービスのガソリンスタンドで、顧客がタッチパネルを操作して、給油・精算をする店舗は、この問題をクリアできることとなります。
また、前述のように、QRコード決済をしたいものの「○○Payで」と言うのが恥ずかしいという顧客は、そのようなガソリンスタンドでは何のストレスも感じずQRコード決済が可能となります。
理由その2:若者・外国人の需要を取り込めるため
電子マネー決済を選択する顧客の多くは、若者や、観光で訪日したキャッシュレスでの支払を望む外国人といったところでしょう。
若者の車離れが著しいと言われるようになって久しいわけですが、車に乗る若者は減ったものの、存在はしており、どこかのガソリンスタンドで給油しているわけです。電子マネー決済ができるようになったという店舗は、それを告知することにより、その話題性が若者を集客してくれる可能性が高まります。
理由その3:先端的なイメージを訴求することができるため
ガソリンスタンドで提供する商品のほとんどは、店舗によって品質が異なるものではないため、価格競争に陥りやすいわけです。
そこで、商品以外で差別的優位性を確立する必要があるわけですが、電子マネー決済を競合他社に先んじて導入することは、先端的な店舗イメージを訴求することが可能となります。特に、松屋フーズのQR決済導入が報道されている今がチャンスです。
このように、セルフのガソリンスタンドが電子マネー決済を取り入れるべき理由は、①支払方法を聞く必要が無いため、②若者・外国人の需要が取り込めるため、③先端的なイメージを訴求できるため、と考えます。
なお、このような外部環境の変化についていけないと言っているご年配の経営者もいらっしゃると思います。この外部環境の変化に敏感なのは、現場の最前線で働く若いアルバイトスタッフだったりします。よって経営者は、現場で彼らと話をして情報収集に勤しむことも重要な仕事であると言えるでしょう。
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