ガソリンスタンドが年末商戦で販売力を高めるマーケティング戦略

戦略の考え方

ガソリンスタンドの年末商戦

 年が明け、早くも2週間が経過しようとしています。ガソリンスタンドでは、年末の洗車ラッシュを乗り越え、年始の需要減退も過ぎ、お客様も通常生活に戻り、ガソリンスタンドの営業も通常になってきたかと思います。

 ガソリンスタンドの12月は1年で一番忙しい時期で、特に大晦日の洗車ラッシュは凄まじいものがあり、その日が終わると、店長として体の力が抜ける感覚をよく味わったものです。

 経営陣としては、洗車を中心としたトラブル・クレームの発生に神経を尖らせる時期です。店舗で処理する洗車台数が増加すれば、スタッフがぶつけた、洗車機で傷が付いた、窓を開けっ放しで洗車してしまったなど、様々なトラブル・クレームが発生する可能性が高まります。
 複数店舗を展開していれば、それだけトラブル・クレームが来る可能性も高まります。ガソリンスタンドの現場で話が収まる程度のトラブル・クレームならまだ良いのでしょうが、本社に話があがってくる時点でかなりこじれていますから、厄介です。

 そのようなことを乗り越え、やっと迎えた新年。気が抜けるのも致し方ありません。ですが、新年を迎えて2週間が経過しようとしており、気持ちも通常モードに戻っているはずです。そんな時に考えたいのは、次回の年末商戦にどう対応するか、ということです。

洗車に追われるのではなく、洗車を追う

 繰り返しになりますが、ガソリンスタンドは年末に洗車ラッシュが訪れます。そこで考えたいことは、今回の洗車ラッシュに対する対応は、前回の対応と比べて向上していたか、ということです。

 仕事は、長く続ければ続けるほど経験値が上がり、売り方にせよ、作業の仕方にせよ、上手になっていくことが望ましいと考えます。よって、当然、今回の対応は前回の対応よりも向上していなければなりません。ですが、単に来店した洗車客への対応に追われているだけのガソリンスタンドが多い印象があります。

 売上は客数×客単価で表されます。洗車台数を増加させ、高額洗車を販売すれば自ずと洗車収益は高まります。

 例えば、営業時間が7:00~23:00のガソリンスタンドがあったとします。7:00から洗車ラッシュが始まるケースは多くなく、ピークを迎え始めるのは10:00頃、そして洗車ラッシュは19:00頃まで続くとします。そうすると予め7:00~10:00、19:00~23:00の洗車割引券を配布することにより、ラッシュが分散され、より多くの洗車需要を取り込める可能性が高まり、洗車台数は向上するでしょう。

 また、年末に洗車をする理由は、新年を迎える準備のためですから、出来るだけ安く洗車しようという意識よりも、お金はかかっても、よりきれいにしようという意識が強まります。よって、洗車時間が変わらないのであれば、ワックス洗車よりも高額な洗車をお勧めすれば受け入れていただける可能性は高まり、洗車の単価が向上するでしょう。

 このように、単に来店する顧客を捌くのではなく、洗車収益をより向上させる取組みが重要です。

効率化を検証する

 次の年末に洗車でどう稼ぐか、という検証は、作業の効率化という視点も重要となります。今以上に早く洗車を仕上げることはできないのか、行列の並ばせ方、作業のオペレーションはどうだったのかなどを検証して、店のキャパシティを拡げる取組みも検討するとよいでしょう。

 商売は勢いも重要です。年末に需要が盛り上がってくれるわけですから、それを活かさない手はありません。単に洗車作業に追われているだけでは、みすみすチャンスを逃してしまっていると言えるでしょう。

 以上より、ガソリンスタンドが年末商戦で販売力を高めるマーケティング戦略は、客数を向上させる視点、客単価を向上させる視点、作業時間を短縮する視点が重要と考えます。

洗車収益に関する参考コラム

 ■油外商品の洗車に注力して人気のガソリンスタンドになるコツとは
 ■ガソリンスタンドが洗車でトラブルを防ぎ売上を向上させるコツ
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