郊外型ロードサイド店舗は交通系電子マネー端末を導入するべきか

戦略の考え方

郊外型店舗で交通系電子マネーを使う顧客はいるのか

 婦人服を主力商品とする郊外型総合雑貨店の店長から「SuicaやPASMOなど交通系電子マネーへの対応はした方が良いのか」というご質問をいただきました。

 今年10月には消費税率が8%から10%に引き上げられる予定ですが、増税後の需要減退の抑制とキャッシュレス社会の推進を理由に、クレジットカード、交通系電子マネー、スマートフォンなどキャッシュレスで決済をする消費者に対しては、5%のポイントを還元するという案があります。

 この店舗は、もともとクレジットカードでの決済には対応していましたが、交通系電子マネーとスマートフォン決済には対応しておりません。ですが、スマートフォン決済は、顧客から使えるようにして欲しいという声が挙がったことを受け、上述の5%還元の件もあることから、対応はしなければならないという認識でした。

 これに対して、交通系電子マネーは主に電車に乗る人が使うものであり、郊外に立地する自店においては、導入する意味がないようにも思えるが、対応したほうが良いのだろうか、というご質問です。

タクシー業界で進む交通系電子マネーへの対応がもたらすこと

 タクシー業界は、キャッシュレスへの対応を急速に進めている印象があります。これは、キャッシュレスの支払いに馴染んでいる外国人観光客の急増が背景にあるものと考えられます。
 特に、昨今はクレジットカードはもとより、交通系電子マネーへの対応が進んでいるようです。

 クレジットカードは、使用する際にサインや暗証番号が必要ですが、交通系電子マネーは端末にかざすだけで決済が終わります。また、クレジットカードは数十万円という与信枠がありますが、交通系電子マネーはオートチャージ機能があったとしてもクレジットカードの与信額ほどチャージはされていないケースが多いはずです。

 よって、キャッシュレスでの支払いを好む消費者は、高額な支払はクレジットカード、低額な支払は交通系電子マネーと使い分けをしているでしょう。そして、タクシー業界は近距離でも気兼ねなく利用していただき、キャッシュレスで支払えるように交通系電子マネーを利用できるようにしていると考えられます。このことは、交通系電子マネーを利用する顧客が、郊外へ出かけることにも繋がります。

交通系電子マネーにポイントはつくのか

 消費者がキャッシュレスでの支払いをする理由のひとつに、クレジット会社からポイントが付与される、という点があります。では、交通系電子マネーの場合はどうなのでしょうか。

 自分でチャージするケースは、クレジット会社が介在しないのでポイントはつきません。しかし、オートチャージ機能がついた交通系電子マネーの場合は、そうではありません。
 交通系電子マネーの残高が一定額未満になったら、改札から駅のホームへ入る際、自動的に一定額がチャージされ、後日クレジット会社からチャージ分が引き落とされるという仕組みがオートチャージ機能です。

 クレジット会社から引き落とされるため、チャージ分にポイントが付与されることになります。このオートチャージ機能も急速に普及している印象があります。つまり、交通系電子マネーを利用する理由のひとつに、クレジット会社からポイントを付与される、という点も挙げられます。

サイレントマジョリティー

 駅に降り立った人がタクシーで交通系電子マネーを利用して郊外へ出かけ、オートチャージ機能のついた交通系電子マネーを利用すればポイントも付くという状況になっている昨今、郊外型ロードサイド店舗は、交通系電子マネーへの対応は必要と言えるでしょう。

 なお、冒頭の店長は、顧客からスマートフォン決済が出来るようにして欲しいと言われたため、スマートフォン決済の必要性を認識したとのことであり、交通系電子マネーでの決済が出来るようにして欲しいとは言われていないので、対応を躊躇していました。

 顧客の発言を受け取ることと、顧客ニーズを把握することは別の話です。「サイレントマジョリティー」という言葉があります。これは、積極的に発言するわけではないが、実際には多数派である人々のことを指し、「声なき声」「静かな多数派」「物言わぬ大衆」などとも言われます。顧客の発言だけでなく、外部環境の変化に目を向け、予想される顧客ニーズを推測し、今後の対応を検討する必要があるでしょう。

 以上より、郊外型ロードサイド店舗は交通系電子マネー端末を導入するべきかという質問に対する私の答えは、導入するべき、というものになります。

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