セルフのガソリンスタンドが生き残りを賭けて提供すべき情報とは

戦略の考え方

油外商品を買う前提

 セルフのガソリンスタンドに入店すると、給油時に使用する機械やその周辺に、様々な油外商品の告知物を見かけるケースが多いです。これは、業界が抱える課題のひとつに、いかに油外商品を売るか、というものがあるためです。油外商品は、ガソリンや軽油といった燃料油に比べると利益率が高いため、販売できれば店舗の収益性向上に大きく寄与します。

 油外商品は、文字通り主力商品であるガソリンや軽油といった油以外の商品を指すわけですが、顧客にしてみると、主力商品をきちんと買うことができて、はじめて油外商品を買おうと思うのは当然でしょう。
 「たまたま入店したガソリンスタンドで給油をしたら、店の感じが良かったので、今度はあの店で洗車でもしてみるかな」と思う顧客はいても、感じが悪かったら油外商品の購入には繋がらないでしょう。

 「主力商品をきちんと買うことができる」ということは「店の感じ」に大きな影響を与えるはずです。そしてこれらが油外商品を販売する前提であることを、ガソリンスタンドの運営者は強く意識しておく必要があります。
 つまり、まずはガソリンや軽油をきちんと給油できるようにする必要があり、そのための情報提供が、油外商品の情報提供よりも優先されるべきと考えます。

なぜ満タンになると止まるのかという疑問

 Googleのサジェスト機能を元に調べると「ガソリンスタンド セルフ」というキーワードで検索する人は、そのキーワードと併せて、以下の言葉を加えて検索するケースが多いことが分かっています。

 「ガソリンスタンド セルフ 入れ方」
 「ガソリンスタンド セルフ 入れ方 満タン」
 「ガソリンスタンド セルフ 給油 止まる」
 「ガソリンスタンド セルフ こぼす」
 「ガソリンスタンド セルフ 自動で止まる」
 「ガソリンスタンド セルフ 仕組み」
 「ガソリンスタンド セルフ すぐ止まる」

 このことからも、セルフサービスのガソリンスタンドを利用する顧客の多くは、なぜ満タンになるとガソリンの給油が自動的に止まるのか理解していない方が多いと思われます。その疑問を解消できるような説明を図入りで、給油時に使用する機械やその周辺に告知するだけで、顧客の安心感が違うでしょう。
 顧客の中には、なぜ満タンになるとガソリンの給油が止まるのかが分からないために、あえて10ℓといった定量給油を行う方も存在します。よって、前述の告知を行うことは、1台当たりの給油量が増加し、客単価が向上する可能性もあるわけです。

なぜ給油していないのに止まるのかという疑問

 車両の給油口にノズルを差し入れ、レバーを引き、いざ給油をしようとしたら、カチンと止まってしまう場合は多々あります。一日に何度も給油をしてきた店舗スタッフであれば、ノズルの差し込みを浅くしたり深くしたり、レバーの引き方を強くしたり弱くしたりして、カチンと止まってしまわないようにできますが、顧客でそのような発想を持っている方は多くないはずです。
 よって、給油前にノズルがカチンと止まってしまった場合の対処の仕方についても告知をしておく必要があります。

 なお、上記2点は、私のガソリンスタンド勤務経験においても、数多くいただいた質問であり、わざわざ店舗スタッフを呼ばなくても、告知物を見ただけで疑問が解消できるようにしておくことで「主力商品をきちんと買うことができる」状況を作らなければいけないでしょう。

 ガソリンスタンドが燃料油だけで収益を確保できないのであれば、油外商品を販売して生き残るしかありません。油外商品を販売するには、主力商品であるガソリン・軽油といった燃料油をきちんと購買できる必要があります。
 よって、セルフサービスのガソリンスタンドが生き残りを賭けて提供すべき情報とは、顧客の円滑な給油作業をサポートする情報であり、油外商品に関する告知は2の次と心得ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

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