儲かるガソリンスタンドの顧客満足度が高いタイヤ交換作業とは

戦略の考え方

寿司店のネタケース

 回転寿司ではない昔ながらの寿司店には、カウンターにネタケースがあります。店側は、魚やその切り身をネタケース内に保管し、顧客の注文に応じて、それをカウンターに座った顧客の目の前でさばき、料理として提供します。

 顧客の目の前で、ネタケースから魚を出し、目の前でさばくことで、注文した顧客は、自分の頼んだものを、新鮮な状態で提供してくれていることが分かります。
 注文を受け、厨房の奥に引っ込み、顧客の目の届かない場所で食材をさばき、料理として提供するケースと比べると、実際に提供されたものは同じであったとしても、やはり美味しく感じ、満足度も高まるものです。

 提供の仕方や見せ方によって、同じ商品であっても付加価値が違ってくるわけで、このことはガソリンスタンドの油外販売にも通じます。

セールストークに説得力を付加するには

 タイヤの側面には、製造年と週が刻印されています。タイヤサイズが表記された部分の下部にある「0117」といった4桁の数値がそれを表しており、この場合「01」がそのタイヤを製造した週、「17」がそのタイヤを製造した年です。よって、この場合、2017年の第1週に製造されたタイヤ、ということになります。

 タイヤはゴム製品ですので、使用してもしなくても劣化していきます。タイヤの溝はしっかり残っているのに、細かなヒビ割れがある場合などは、使用はしていないけれども、劣化が進んでいるケースと言えるでしょう。
 そこで、タイヤ販売に熱心なガソリンスタンドは、製造してから相応の年数が経過したタイヤを履いた車両の顧客に対して、劣化度合いによって交換をお勧めするわけですが、その際に説得力を持つのが、上述の4桁の数字です。

 顧客のタイヤの製造年・週を見せながら「製造してから10年も経過しているので、このようにヒビ割れが発生しており、早めの交換をお勧めします」というセールストークと「ヒビ割れが発生しており、早めの交換をお勧めします」というセールストークでは、説得力が違うわけです。

新品タイヤの鮮度を訴求する

 このようなセールストークで新品タイヤへの交換が受注できた場合、交換作業に入る前に、これから装着する新品のタイヤを顧客のところへ持って行き、製造年・週を見せながら、「これからこのタイヤに交換します」とお伝えするガソリンスタンドがあります。
 タイヤ交換を受注し、顧客の車をピットに入れ、倉庫の奥から出してきたタイヤに交換するケースと比べると、前者の方が、冒頭のネタケースの話と同じで、タイヤ交換の付加価値が高いでしょう。このことは、顧客の信頼獲得に繋がり、さらなる油外販売に結び付く可能性が高まります。

 また、あるガソリンスタンドでは、セールスルームに、エンジンオイルの4ℓ缶を陳列していますが、エンジンオイルを交換する際は、その待合室に陳列している4ℓ缶を顧客の目の前からピットへ持って行き、オイル交換を行います。これも、上記の付加価値に繋がる取組みと言えるでしょう。

 儲かるガソリンスタンドの顧客満足度が高いタイヤ交換作業とは、交換前に、これから装着するタイヤの製造年・週をしっかり訴求するという、透明性の高い作業であると言えるでしょう。

タイヤ販売に関する参考コラム

 ■タイヤ交換の事故をガソリンスタンドが販売に活かすためには
 ■タイヤの空気圧点検を有料化したガソリンスタンドの悲劇とは
 ■ガソリンスタンドがタイヤの販売促進で大手量販店を活用するコツ

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