事業が小規模であるほど経営者の経験・経歴が強みとなり得る理由

戦略の考え方

大舞台で起こった奇跡の裏側に

 平成最後の夏の全国高校野球も準決勝、決勝戦を残すのみとなりました。その大会前には各テレビ局で「甲子園過去の名勝負」と題して特集番組が放映されましたが、その名勝負で必ずと言っていいほど出てくるのが、1996年の決勝戦、松山商業と熊本工業の1戦です。

 同点のまま迎えた延長10回裏、熊本工業の攻撃は1アウト満塁。得点を許したらサヨナラ負けとなってしまう松山商業は、ここで守備固めとして右翼手を交代させます。

 プレーが再開された初球、この右翼手へ大きな飛球が飛びます。実況中継のアナウンサーが「いったー、これは文句なし」と叫んだほどの大飛球でした。

 浜風にやや押し戻された打球を捕球した右翼手は、タッチアップから本塁を狙ったランナーをアウトにするべく、本塁へ送球しました。その送球はキャッチャーミットにノーバウンドで届き、キャッチしたミットの位置は、そのままランナーにタッチできる位置でした。
 ダブルプレーが成立し、3アウトチェンジ。そして次の回、11回表に松山商業が得点、その裏の熊本工業の攻撃を断ち、優勝を飾りました。

 この試合でスポットライトが当たったのは、奇跡のバックホームで3塁ランナーをアウトにした松山商業の右翼手でしたが、アウトにした選手がいるということは、アウトになった選手もいるわけです。その選手は星子崇氏といいます。

その経歴を汚点にするもビジネスチャンスにするも解釈次第

 星子氏は、準優勝メンバーとして地元に凱旋しましたが、「タッチアップでアウトになった人」「力を抜いて走った」などという心ない言葉を浴び、野球から遠ざかることになりました。

 あの試合から17年後、2013年に星子氏をある人が訪ねます。それは、あの試合で星子氏をアウトにした松山商業の右翼手、矢野勝嗣氏でした。矢野氏は、あの試合後、「どれだけすごい奴なんだ」という周囲のプレッシャーに悩んだ時期がありました。しかし、あの試合を一生背負っていくと決め、前向きになりました。お互いの悩みを共有し、勇気づけられた星子氏は、熊本市内にバー「たっちあっぷ」を立ち上げることとなります。

 ご自身の経歴を前向きに解釈すると、このようなビジネスチャンスが生まれます。

小規模事業者ならではの強みとは

 大企業の経営者よりも小規模事業の経営者の方が、顧客に近い位置にいます。事業をダイレクトに動かすことができます。だからこそ、経営者自身が持つ差別的優位性が事業に活用しやすいという強みがあります。このご時世、品質やサービスで大きな差別化は困難ですが、経営者の経歴だけは差別性があります。それを優位性として活かすか活かさないかは、解釈次第、ということです。

 若くして脳梗塞になり、身体に障害が残った経験を活かして、障害者の就労支援施設を立ち上げた焼き鳥店の経営者。
 学習塾に勤務していた経験を活かして「学習塾出身の店長が提供する合格ラーメン」を提供するとんこつラーメン店の経営者。
 障害を負った子どもを育てた経験を活かして、障害者の家族へ「癒やし」を提供するカフェの経営者。

 このように経営者の経験・経歴は、全てがビジネスチャンスになり得ます。
 深海魚の「あんこう」は、捨てるところのない魚と言われ、皮から身、内蔵や尾まで食べることができます。しかし、食べられるところを捨てたら食べることができません。
 経験・経歴がビジネスチャンスになっていないのは、食べられるのに捨てているのかもしれないのです。解釈というスパイスが、捨てていたもの、目に入らなかったものを食べることができるようにしてくれるはずです。

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