【実録】ガソリンスタンド店長の「バ畜」を撲滅するコーチングの力

コラム

1.【実録】ガソリンスタンド店長の『バ畜』を撲滅するコーチングの力

■人材不足と「バ畜」問題

 私は現在、中小企業診断士として、ガソリンスタンドをはじめとした店舗ビジネスの事業計画策定などを支援する会社を経営しています。創業する前は、21年間ガソリンスタンドの運営会社に勤務し、店長を担っていました。

 そんな私が新任店長時代に悩んでいたことは、人材不足という問題でした。そして、店を回すために、少ないアルバイトスタッフに過酷なシフトを組み「バ畜」にしてしまったことがあります。

 「バ畜」は、社畜のアルバイト版、つまりアルバイトの仕事にすべてを捧げて、学業やプライベートを犠牲にしている人のことを言います。この言葉は、社会問題を表しており、人手不足を理由とした企業の倒産が増えている中、バイト先に搾取される人が多くなっています。

 これは、企業側の問題であり、結果として、事業が属人的となり、バ畜になったスタッフが休職・退職してしまうと、運営力の衰退が早まってしまいます。

 私は店長としてコーチングと出会い、人材不足を克服し、スタッフをバ畜にしないで済むようになりました。今回の記事では、その経験をもとに人材の定着率を高めるコーチングスキルをご紹介します。

■怒るvs叱る

 新任店長として人材不足に陥っていた頃の私は、部下を頻繁に怒っていました。怒ると叱るの違いは、誰のために言葉をかけるかという点にあります。

 「怒る」とは、不満や不快に思うことがあり、その感情を抑えることができず表に出すことで、自分のために感情を発散しています。「叱る」とは、相手の欠点を改善させるために強く注意することで、相手のためを思っています。部下は怒られているのか、叱られているのかを敏感に察知し、失望することから、退職者が相次ぎ、人材不足に陥っていました。

■マニュアルの弊害

 また、当時の私はマニュアル通りに接客することを強要しましたが、それは、以下の弊害を引き起こしていました。

  • 自律性が低下する。マニュアルに記載されていないことに対応できない、またはマニュアル以上の提案や発想ができず、自律的な接客が困難になる。
  • モチベーションが低下する。マニュアルに縛られて自分の判断や創造性を発揮できないと感じると、仕事に対するやりがいや責任感が低下する。

 このようなマネジメントをしていましたので、人材はどんどん辞めていきました。そんな中、私は店長として仕事をしながら、コーチングを学ぶ機会を得ることができました。そして「傾聴」「質問」「承認」というスキルを活用することで、スタッフの定着率が大きく向上しました。

■傾聴:相手と信頼を築く

 「傾聴」とは、自分の頭を空にして、相手の話に耳を傾け、言葉だけでなく表情や態度などにも注意を向け、相手の気持ちや考え方を理解しようとするコミュニケーションの技法です。

 傾聴することで、相手は自分の話が受け入れられていると感じ、信頼感や安心感を醸成することで、より深いコミュニケーションを交わすことができます。また、それにより、相手の思考や感情が整理され、抱えている本質的な問題に相手自身が気付くこともありました。

■質問:適切なアプローチを選ぶ


 「質問」は、部下に応じて適切な投げかけをすることです。それにはYes・Noで回答できるクローズドクエスチョン、Yes・Noで回答できないオープンクエスチョンの2種類があります。

 例えば「フレンドリーな挨拶が出来ますか」「フレンドリーな挨拶はどういうものか分かりましたか」という質問は、クローズドクエスチョンであり、確認をする際や、経験の浅いスタッフに投げかける際に有効です。

 これに対して「フレンドリーな挨拶とは何だと思いますか」「なぜフレンドリーな挨拶をするべきと考えますか」はオープンクエスチョンであり、自分で考えさせたい場合や、経験の豊富なスタッフに投げかける場合に有効です。

■承認:事実を認める

 「承認」は、部下の行動や成果を事実として認めることです。承認するときは、ねぎらいや褒めの言葉ではなく、事実を述べます。例えば、「今日は40台の顧客に空気圧点検の声掛けをしていたね」と言うことです。承認すると、部下は自分の仕事が評価されていると感じ、やりがいや責任感を持ちます。

 私は、傾聴・質問・承認のスキルを使って、部下とコミュニケーションをとるように心がけました。これにより、退職するスタッフが激減し、中には卒業した後に当社に就職を希望する学生のアルバイトスタッフまで現れました。

■まとめ

 今回の記事では、コーチングを活用することで、人材不足の課題を解決し、アルバイトスタッフを「バ畜」にしない方法について説明しました。傾聴、質問、承認のスキルを用いたコミュニケーションをとることで、スタッフの定着率を向上させ、信頼感ややりがいを提供しました。

 結果として、スタッフの退職が減り、さらに学生からの新たな採用希望者が現れるほどの成果をあげました。このアプローチは、ガソリンスタンド以外の業種にとっても有益であり、人材育成と定着を向上させる手法として活用できます。

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