認知症の方に寄り添うガソリンスタンドの接客術

コラム

1.認知症の方に寄り添うガソリンスタンドの接客術

■認知症を患った方の言動の特徴

 ガソリンスタンドは、自動車の給油や洗車、車検などのサービスを提供する店舗ですが、それだけではなく、地域の人々の交流の場でもあります。それを踏まえて、ガソリンスタンドの従業員は、顧客のニーズや状況に応じて、適切な接客を心がける必要があります。

 特に、高齢化が進む現代では、認知症を患っている方が来店することも想定されます。認知症とは、記憶や判断力、言語能力などの認知機能が低下する病気で、日常生活に支障をきたすことがあります。認知症の人は、自分の行動や言動に気づかないことが多く、周囲の人に迷惑をかけることもあります。

 しかし、認知症の人は、そうでない人と同様に、相手に受け入れられたり、守られたりすると安心します。ですから、認知症の人に対しては、否定的な態度や言葉を避け、優しく声をかけ、理解しようとする姿勢が大切です。

 そうすることで、認知症の人だけでなく、その家族や関係者は、そのガソリンスタンドを信頼できる場所と感じるようになります。それは、売上や評判にもプラスになる可能性があります。

 では、具体的に、認知症の人にどのような接客をすればよいのでしょうか。ここでは、実際に起こった事例をもとに、そのポイントを紹介します。

■事例から学ぶ、認知症の方に対する接客術

 私がガソリンスタンド運営会社に勤務し、現場で店長を担っていた頃に体験した話です。ある日、自転車に乗った高齢の男性がやってきました。その男性は、店頭にいた私の前に自転車を停めて、言いました。

「レギュラー満タン」

 私は、一瞬、冗談かと思いましたが、その男性の表情は真剣でした。そこで、「レギュラーガソリンを満タンにするのですか?」と尋ねると、「これ(自転車)にレギュラーを満タンにしてくれ」と言うのです。

 しばしやり取りをしましたが、どうも話が噛み合いません。もしかしたら、この男性は認知症を患っているのかも?と思いました。よって、その場で「自転車にはガソリンは入りませんよ」と言っても、男性は納得しないでしょう。むしろ、怒ったり、困惑したりするかもしれません。

 そこで私は、この男性に対して、以下のように対応しました。

「わかりました。レギュラー満タンですね。ちょっと待っててください」

 私は、この男性を待合室に案内し、自販機で買ったお茶を出しました。そして、その男性の帽子に住所や名前、電話番号が書かれていることに気付き、家族に連絡しました。

 ほどなくして、家族が車で迎えに来て、この男性は認知症を患っていること、自転車に乗ることが唯一の趣味であること、今朝も家族と一緒にサイクリングに出かけたものの、家族が見失ってしまったことを話しました。そして、この家族は、この男性を車に乗せ、自転車を積んで、感謝の言葉を述べながら帰って行きました。

■ガソリンスタンドで認知症の人に対する接客の重要性

 この事例から、認知症の人に対する接客のポイントは、以下のようにまとめられます。

  • その場で否定しない
    認知症の人は、自分の思い込みや妄想を真実だと信じています。そのため、その場で否定されると、混乱したり、反発したりすることがあります。ですから、その場で否定しないことが大切です。その代わりに、相手の言葉を受け入れて、一旦、落ち着かせることを目指します。
  • 安全な場所に移動させる
    認知症の人は、危険な行動をとることがあります。例えば、ガソリンスタンドでは、給油エリアでタバコを吸ってしまうことが考えられます。これは、自分や他人に危害を及ぼす可能性があります。ですから、安全な場所に移動させることが重要です。その際には、優しく誘導し、無理に引っ張ったりしないようにします。
  • 家族や関係者に連絡する
    認知症の人は、自分の住所や電話番号を忘れることがあります。その際には、相手の身につけているものや持っているものに、連絡先が書かれていないか確認します。また、相手に話しかけて、名前や住所を聞くこともできます。ただし、相手が不安にならないように、丁寧に尋ねます。
  • 感謝や励ましの言葉をかける
    認知症の人は、他人の感情に対して敏感に反応します。そのため、感謝や励ましの言葉をかけることで、相手の心を和らげることができます。また、家族や関係者に対しても、感謝や励ましの言葉をかけることで、相手の負担を軽減することができます。
  • 否定的な態度や言葉を避ける
    認知症の人は、自分の思い込みや妄想を真実だと信じています。そのため、その場で否定されると、混乱したり、反発したりすることがあります。ですから、否定的な態度や言葉を避けることが大切です。例えば、「そんなことはありませんよ」「それは間違っていますよ」と言うのではなく、「そうですか」「なるほど」と言うようにします。

 認知症の方に上記の対応をすることで、相手に安心感や信頼感を与えることができます。それは、ガソリンスタンドの売上や評判にもプラスになる可能性があります。

 ガソリンスタンドは、地域の人々の交流の場でもあります。そこで、認知症の人に対しても、大きな器を持って接していきたいものです。

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