ピークエンドの法則を活かした接客:顧客満足向上の鍵

コラム

1.ピークエンドの法則とは

 ピークエンドの法則は、人は経験全体をピークとエンドの印象に基づいて判断することを示した法則です。この記事では、この法則を活かした接客の重要性について探ります。特に「エンド」について採り上げ、顧客に断られた際の気遣いで、顧客満足度やリピート率の向上が期待できることを述べていきます。この記事を読むことで、接客の重要性を理解し、接客力の改善に役立てることができます。

 ピークエンドの法則における「ピーク」とは、経験の中で最も印象的な瞬間を指します。最高の喜び、最悪の苦しみ、驚き、感動など、強烈な感情を伴う瞬間です。例えば、映画のクライマックス、旅行の絶景、デートでのロマンチックな瞬間などがピークとなります。

 「エンド」とは、経験の最後の状態や終了時を指します。映画のラストシーン、旅行の最終日、レストランでの会計など、経験の終わりを意味します。

 つまり、経験の長さよりも、ピークの強度とエンドの印象が重要であり、これらの良し悪しで、その経験の印象の良し悪しも決まるということです。

2.エンドの重要性

 ピークエンドの法則は、ノーベル経済学賞を受賞した心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏による1993年の論文で提唱されました。彼は、この法則に関わるいくつかの実験をしていますが、以下でご紹介する実験ではエンドの重要性が示されました。

 実験では、被験者に以下の2つの体験をしていただきます。

 【体験1】被験者は14度の冷たい水に手を入れ、60秒間そのまま待ちます。不快感は機械で計測し、0~14点で評価します。

 【体験2】次に再度、14度の冷たい水に手を入れ、60秒間そのまま待ちます。不快感は機械で計測し、0~14点で評価します。ですが、その後30秒間、水は徐々に15度まで温かくなります。この30秒間の不快感も機械で計測し、0~14点で評価します。

 この実験による不快感は以下となりました。

【体験1】
平均不快度 8.44
【体験2】
最初の60秒:平均不快度 8.34 (体験Aとほぼ同じ)
最後の30秒:平均不快度 5.69 (水がぬるくなり大きく低下)

 さらに、両方の体験を終えた被験者に「もう一度体験するならどちらがいいか?」と尋ねたところ、69%の人が「体験2」を選びました。体験2では、最後の30秒間に不快度が下がったため、それが「エンド」の印象として記憶されました。エンドの印象が良好だったため、体験2全体の印象も良くなったと考えられます。

 記憶に残る体験は、単に不快度が少ないだけでなく、エンドの印象が重要だということが示されました。次に、これを活用した接客について見ていきましょう。

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