ガソリンスタンドの事例から考える従業員のワークライフバランスが業績に与える影響

コラム

1.客単価の向上と従業員の働き方

 ガソリンスタンド業界の経営環境は厳しさを増していますが、このような状況における重要な経営課題のひとつが客単価の向上です。

 客単価向上には、スタッフの販売力が重要な役割を果たします。しかし、スタッフの負担が大きすぎると、モチベーションが低下し、販売力も低下してしまう可能性があります。そこで重要となるのが、スタッフのワークライフバランスを重視しながら客単価を向上させることであり、この記事では具体的な方策を検討します。

 この記事は、ガソリンスタンド経営者や従業員、小売業界に従事する方々、および組織の労働環境改善に興味を持つ方々に向けた内容です。特に、労働環境の改善が業績向上にどのように寄与するかを知りたい方におすすめです。

 この記事を読むことで、従業員のモチベーション向上やワークライフバランスの改善が業績向上にどのように貢献するかを理解し、自社の経営に活かすための示唆を得ることができます。また、労働環境改善の重要性や具体的な取り組み方法について考えるきっかけとなるでしょう。

2.主婦が持つ希望の勤務形態とは

 ガソリンスタンドの現場では、様々なアルバイトスタッフが働いていますが、油外商品の販売力に長けているスタッフもいます。そのようなスタッフが接客すると、当然油外商品が売れていきますが、そんな彼らをどう処遇するかは、事業が成功するか否かのポイントとなります。事例を見ていきましょう。

 家庭の主婦がガソリンスタンドでアルバイトをしようとする場合、多くの方が、勤務時間は10:00~16:00、休日は土日を希望します。

 勤務時間に関しては、家族の朝食・お弁当を準備し、食器を片付け、洗濯機を稼働させ、洗った洗濯物を干してから出社する、となると10:00頃の出社がちょうど良いのでしょう。また、仕事を終え、帰宅途中に食材を買い、自宅に到着したら洗濯物を取り込み、夕食・お風呂を用意して、一家団らんの時間を準備するには16:00頃の退社がちょうど良いのでしょう。

 勤務日に関しては、子どもの学校やご主人の仕事が休みの土日には自分も休んで、家族でショッピングやレジャーを楽しみたい、という意識が働いているのでしょう。

3.高い販売力を失ってしまった事例

 そんな背景の中、あるガソリンスタンドの店長は、上記の条件で応募してきた当時30代の主婦をアルバイトとして採用しました。彼女が勤務した初日、店長が店舗を案内し、接客の仕方など一通りの業務を教えました。

 そして、おそるおそる接客業務を始めた彼女は、いきなりタイヤを売りました。店長はタイヤの売り方を教えていないのにです。それ以降、エンジンオイルやガソリンの添加剤など、彼女は様々な油外商品を販売していきます。店長は大助かりです。

 そして店長は、彼女の時給を大幅に上げるとともに、もともと勤務条件としていなかった16:00以降や土日の勤務をお願いしました。彼女がシフトに入ってくれればくれるほど売れるからです。入社したばかりの彼女は、それを断ることができませんでした。

 これにより業績は上がりましたが、ほどなくして、彼女は出勤しなくなりました。携帯に電話をしても繋がりません。彼女の退職理由は想像に難くありません。ワークライフバランスが崩れてしまったということです。

 会社が目先の業績だけを追ってしまった結果、そのガソリンスタンドの油外収益は、彼女が入社する前と同じになるとともに、現場のスタッフは人手不足に喘ぐことになりました。

 このように高い給料さえ払えばよいという考えで、スタッフをこき使う職場からは人は流出していきます。これを踏まえて、業績を上げたガソリンスタンドの事例を見ていきましょう。

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