１．持続化補助金で不採択になる「顧客ニーズと市場の動向」書き方の特徴
2014年度から始まった小規模事業者持続化補助金（持続化補助金）ですが、私はこの時期から当補助金の申請を支援しており、多くの事業者様のご相談に対応してきました。これらのご相談は主に２つのカテゴリに分かれます。
- 計画書を作ってみたが、採択されるレベルにするには、どこを直すべきか。
- 前回不採択であり、次回リベンジしたいのだが、前回作った計画書のどこを直すべきか。
このような相談への対応を通じて不採択になるレベルの計画書に数多く接してきた経験から、今回の記事では経営計画の「顧客ニーズと市場の動向」に焦点を当て、不採択となる特徴ワースト３を紹介し、その解説をしていきます。
これらの特徴に当てはまらないように心掛けることで、不採択になってしまうリスクが軽減され、採択される可能性が高まります。では、具体的なポイントを見ていきましょう。
■持続化補助金に不採択となる計画書「顧客ニーズと市場の動向」の特徴ワースト１：見出しを設けない
適切な見出しを設けることは、審査員としては「顧客ニーズと市場の動向」に書かれた内容の要点や全体像が把握でき、読みやすくなりますので、内容が迅速に理解できます。計画書の内容が理解されれば必ず採択されるわけではありませんが、内容が理解されなければ採択は望めませんので、理解されやすくする必要があります。
そこで適切な見出しを設けるわけですが、弊社では、当欄のタイトルを活かして【顧客ニーズ】【市場の動向】とすることをお勧めしています。
また、見出しの下に小見出しを入れる場合もありますが、ご自身なりにルールを定め、計画書の各欄で統一しておく必要があります。例えば、見出しはかっこ付き数字をつける、小見出しは丸囲み数字をつける、その下は箇条書きで書く、といった形です。
■持続化補助金に不採択となる計画書「顧客ニーズと市場の動向」の特徴ワースト２： 顧客ニーズにヌケモレがある
例えば、日本の人口推移を考える際に、日本の男性人口の推移だけを検討するのは、女性人口の推移が抜けていますから、ヌケモレのある考え方になります。同様に顧客ニーズもヌケモレなく検討することが、顧客満足度を高めることになります。
この際に使いたいのがQuality（品質）、Cost（コスト）、Delivery（納期）という切り口です。顧客はどのような品質、価格、納期を求めているのかという視点ですが、これらを検討することでヌケモレのない切り口から顧客ニーズを洗い出すことが可能となります。
■持続化補助金に不採択となる計画書の「顧客ニーズと市場の動向」特徴ワースト３： 競合動向を記載していない
市場動向として、市場規模や商圏人口の推移は記載しているものの、競合動向を記載していないケースが散見されます。競合動向を記載することによって、自社は競合よりもどの点が優れているのか、また、自社の取組みが妥当であるかどうかが、より明確になるでしょう。
さらに今回見ている「顧客ニーズと市場の動向」の次には「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」がありますが、「強み」は競合より優れているからこそ「強み」と言えるわけで、市場の動向として競合動向を記載することは、記載した「強み」の説得力向上にも効果を発揮するでしょう。
具体的には、競合の社名・屋号、自社からの距離や所要時間、URL、特徴などを一覧表にして盛り込むと良いでしょう。
以上、持続化補助金に不採択となる計画書の特徴ワースト３を挙げ、その解説をしてきました。不採択を避けるためには「顧客ニーズと市場の動向」において、①見出しを設ける、②QCDの切り口を用いる、③競合分析をする、がポイントとなります。
これらに注意して、採択の可能性を高めていきましょう。第13回持続化補助金の締切は、2023年9月7日(木)です。ぜひこの機会に挑戦してみてください。なお、次回の記事では「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を取り上げ、不採択になってしまう特徴を見ていきます。
■ロードサイド経営研究所ホームページ
２．小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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