自社の特徴を見つける方法~居酒屋とガソリンスタンドの事例から学ぶ事業ドメイン~

コラム

1.自社の特徴を見つける方法~居酒屋とガソリンスタンドの事例から学ぶ事業ドメイン~

■自社の特徴を見つけるために必要な「事業ドメイン」とは?

 自社の特徴を見つけるためには、以下に示した事業ドメインと言われる「誰に」「何を」「どのように」を考えることが大切です。

  • 「誰に」は、自社の事業展開により恩恵を受ける人は誰か
  • 「何を」は、自社の事業展開により提供する価値は何か
  • 「どのように」は、自社の事業はどのように価値を提供するか

 これらを明確にすることで、有効な自社の戦略を立案することが可能になります。今回の記事では、この事業ドメインの定め方について、事例を用いて見ていきます。

■ガソリンスタンドで成功した事業ドメインの事例

 私は、21年間ガソリンスタンドの運営会社に勤務し、現場に身を置いてきました。この期間、転職や転勤で17の店舗を渡り歩きましたが、埼玉県内のあるガソリンスタンドで店長を担っていた時に、事業ドメインの設定をして、タイヤの大量販売をしたことがあります。

 当時、同店の強みとして以下が挙げられました。

  • タイヤ販売が得意な若手社員が在籍している。
  • レスポンスの早いタイヤの卸売り業者と取引をしている。
  • 敷地が広く、急がずにタイヤの空気圧点検がゆっくりできる。
  • クレジットカード会員を勧誘するスタッフと、商品を販売するスタッフ、という形で店頭の役割分担が明確となっている。

  そこで、これらをもとに、自店の事業ドメインを以下のように考え直しました。

 「誰に」:現金の持ち合わせがなくてもタイヤを買えるクレジット会員
 「何を」:タイヤを通じた安全と安心
 「どのように」:空気圧点検とエクセルを使った顧客管理

 
 セルフサービスのガソリンスタンドは、空気圧点検もセルフサービスにしがちですが、当店では、スタッフが無料で空気圧点検を実施することとしました。そして、すり減ったタイヤが見つかると、在庫がなくても卸売業者がレスポンス良く配達してくれるので、すぐに交換作業ができることを訴求しました。

 また、接客の内容はナンバープレートの情報とともに、エクセルで管理し、スタッフ全員で情報を共有できるようにして、次回来店時に活用できるようにしました。この管理手法は以下のリンクを参考にしてください。
https://www.roadsidekeiei.com/%e3%82%ac%e3%82%bd%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%89%e3%81%8c%e3%83%8a%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%a7%e9%a1%a7%e5%ae%a2%e7%ae%a1%e8%b7%af/

 このようにしてガソリンスタンドでタイヤの大量販売を実施しましたが、その後、私はこのガソリンスタンド運営会社を退職し、中小企業診断士として、創業をします。創業後はこの経験を活かして、支援企業に対して事業ドメインの策定をサポートしてきました。これにより、多くの企業が大きな業績を挙げましたが、その中で居酒屋の事例をご紹介します。

■居酒屋で成功した事業ドメインの事例

 当時40代前半だったその方は、居酒屋のチェーン店に長年勤務し、本部や現場で色々な仕事をしていました。そして、退職金を使って自分の居酒屋を持とうと思っていました。

 この方が考えた、当初の事業ドメインは、以下のものでした。

 「誰に」:会社帰りのサラリーマン
 「何を」:美味しい海産物とお酒
 「どのように」:純和風の店内で

 ですが、この事業ドメインと同じ居酒屋は多数あります。よって、この事業ドメインで開店してしまうと、特徴を打ち出すことができず、厳しい状態になることが目に見えていました。

 そこで、この方の強みを探してみると、以下が分かってきました。

  • 厨房業務が好きで、海産物をさばくことが上手。
  • 様々な海産物問屋を知っており、仕入れが不安定なイカを確実に仕入れることができる。
  • 歯が弱い高齢者でも食べやすい新鮮なイカを提供することができる。

 そして、これらをもとに、新しい店の特徴を考え直しました。

 「誰に」:歯の弱い高齢者
 「何を」:新鮮なイカを通じた食の喜び
 「どのように」:水槽からすくったイカをお客さんの目の前でさばく

 このドメインであれば、自店の特徴を打ち出すことが可能です。そこで、これに則って事業計画を作り、席数20ほどの居酒屋を開店させました。結果、代表者とアルバイト2人で、開業初年度に3,000万円を売り上げ、今や2店舗めも展開するようになりました。

■まとめ

 上記の内容から、事業ドメインの設定が競争力を高めるために非常に重要であることが理解できます。

 ガソリンスタンドの事例では、タイヤ販売を特定の顧客層に焦点を当ててサービスを提供しました。また、居酒屋の事例では、特定の料理をニッチな顧客層に訴求しました。このような戦略を持つことで、競争の激しい市場でも成功を収めることができました。

 自社の特徴を見つけ、事業ドメインを明確に設定することは、新規事業の立ち上げや既存事業の改善において非常に実用的なアプローチです。そして、それを実行することで、独自性を持ち、成功を収める可能性を高めることが期待できます。

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