顧客が給油中にガソリンを溢れさせた場合の3つの気配り

接客

 セルフサービスのガソリンスタンドで働いていると、顧客に様々な理由で呼ばれます。その理由の中には「給油中にガソリンが溢れたんだけど、どうしたらいい?」というものが意外と多くあります。そして、この言葉の裏には「溢れた分の代金を返せ」というニュアンスが含まれていることもありますし、露骨にそれを言われることもあります。

 今回のコラムでは、このような顧客に接した場合にどのような対応を行うべきかを見ていきます。

顧客がガソリンを溢れさせた場合の対応1:お召し物の心配をする

 まずは、顧客の衣服の心配をしましょう。ガソリンが付着した衣類の大きな問題は「匂い」です。ベストな対応はクリーニング店に出すことですが、自宅で処理するのであれば、ガソリンの付着した衣服は数日間、陰干しをしてガソリンの匂いが無くなってから洗濯機で洗うようにお伝えしましょう。

 ガソリンは揮発性が高いので気化しやすく、陰干しをすると数日で匂いは無くなるはずです。なお、陰干ししている衣服の周りは、当然のことながら火気厳禁です。

 陰干しをしないでガソリンの付着した衣服を他の洗濯物と一緒に洗濯機で洗ってしまうと、ガソリンの匂いが移ってしまうこととなります。また、仮に単独で洗ったとしても洗濯槽内にガソリンの匂いがこびりついてしまいます。

 なお、洗濯後の乾燥機の使用は念のため、避けた方が安全であることもお伝えしましょう。万一衣服からガソリンが落ち切れていなかった場合、火災の原因となり得ます。

顧客がガソリンを溢れさせた場合の対応2:皮膚の心配をする

 ガソリンが衣服に付着したということは、それが染みこみ、皮膚にまで届いている可能性があります。ガソリンはものを溶かす性質がありますので、皮膚に付くと肌荒れを引き起こします。

 ガソリンスタンド内のお手洗いで石けんを使って丁寧に洗い落とすか、それが無理なら早めに自宅でシャワーを浴びるようにお勧めしましょう。

顧客がガソリンを溢れさせた場合の対応3:車両の心配をする

 前述のようにガソリンはものを溶かしますので、車両のボディに付着すると塗装に良い影響は与えません。現在は塗装技術が進展したとはいえ、付着しない方が望ましいはずです。

 よって、給油キャップを閉めた上で、水を掛け流し、ボディに付着したガソリンをその場でしっかり洗い流しましょう。

 ここまでしっかり対応したならば、顧客の「金返せ」的な気分は概ね収まるはずです。それでも溢れた分の代金について返却を求めるのであれば、店内の告知物に「給油はお客様ご自身の責任においてお願いいたします」とあることを丁重にお伝えしましょう。

 今回のコラムでは、顧客が給油中にガソリンを溢れさせた場合の気配りとして、1.お召し物の心配をする、2.皮膚の心配をする、3.車両の心配をする、を挙げました。「金返せ」「いえ、自己責任ですよ」といった木で鼻をくくったようなやり取りでは、心証を悪くして顧客を失う可能性があります。まずは精一杯の気配りから始めてみてはいかがでしょうか。

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