小規模事業者持続化補助金一般型に採択された卸売業の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 同社は制服を提供する卸売業ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークを取り入れる企業が増加したことから、出社して制服で仕事をする必要がなくなった方が増え、制服を買い換えたり、新たに準備したりする企業が減少し、販売が落ち込んでしまいました。

 そこで、ネット通販を強化するべく小規模事業者持続化補助金に応募したところ採択され、ある程度業績を回復させました。そして、さらなる業績の回復を狙うべく、今回は同補助金で紙製のカタログを作成し、配布することにしました。

 経営者は、前回に引き続き、弊社に計画書作成の支援をご依頼され、結果として同社は今回も採択されたわけですが、同社が採択される計画書をどのように作成したのかをご紹介していきます。

 下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の作成資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <補助事業計画>「4.補助事業の効果」について見ていきます。

1.「補助事業の効果」の書き方

(1)【自社の効果】を記載する

 補助事業の効果としてまず記載したのは、補助金を使うことにより自社がどのようになるか、という点です。特に自社の効果に関しては、数値で表すことのできる定量的効果を記載することが可能ですので、その点を意識して記載しました。

 具体的には補助事業の実施によって、見込むことのできる売上高と売上総利益の伸び率を記載しました。また、定着率の向上も効果として期待できるのですが、どの程度向上するのかは見込み切れなかったため、この点は「定着率を見込むことができる」という表現に留めました。

(2)【顧客の効果】を記載する

 補助金を使うことによって、顧客に何らかのポジティブな影響を与えることができるからこそ、売上や利益が伸びるはずですから、そのポジティブな影響を記載する必要があります。そこで、顧客の効果として以下のような内容を記載しました。

  • 顧客企業が当社の制服を使用することにより、お洒落なイメージが訴求できるため、応募が増加し、人手不足が解消できる
  • お洒落な制服を採用することにより、女性の応募・採用が増加し、女性が活躍できる企業というイメージを抱いてもらうことができる
  • お洒落な制服であるため、社員が制服を大事に扱うことが期待でき、長期に渡って使用できるため、経費削減に繋がる

(3)【社会的な効果】を記載する

 補助金を使うということはその財源である税金を使うということです。その税金は同社を利用しない方が納税したものかもしれませんので、公的資金を使う者として、同社を利用しない方が得られる効果も検討する必要があります。

 そこで同社は社会的な効果として、雇用の場の創出、納税額の上昇による社会保障の充実、といった内容を主軸に記載しました。

 ここまで「4.補助事業の効果」を記載する際のポイントとして(1)【自社の効果】を記載する、(2)【顧客の効果】を記載する、(3)【社会的な効果】を記載する、を述べてきました。

 同社の場合、過去に採択されたことがあるため、前回と今回の補助事業の違いを明確に述べたことが採択の大きなポイントになったと思います。また、前回の計画書の流用という意識ではなく、前回の計画書を見直して、ブラッシュアップするという意識も採択という結果に好影響を与えたはずです。該当する方はご参考になさって下さい。

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