採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方⑦

小規模事業者持続化補助金

 目標が重要であることは多くの方が認識しておられると思います。これについて、カルビー会長兼CEOの松本晃氏は2018年3月12日の日本経済新聞で以下のように述べています。

 会社や組織は人で成り立っている。私たちのビジネスはピープルビジネスだ。生まれ育ちも何もかも異なる人が集まってあるべき目標に向かって邁進(まいしん)する。ならば、会社は「1人2人ではできませんが、こんなビジョンと目標を持っています。心を同じくする人、この指とーまれ」のこの指がないと始まらないのではないのか。

 小規模事業者であっても、目標の有無は事業展開の力強さに影響を与えます。今回見ていく下図赤字部分【経営計画】「4.経営方針・目標と今後のプラン」は経営者自身や自社にかかわる方々を導く「この指」を示し、それを達成する方策を俯瞰的に述べていく欄になっています。

1. 採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part7

 「4.経営方針・目標と今後のプラン」を記載する場合は、「2.顧客ニーズと市場の動向」、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」いう現状の内部・外部環境を踏まえることが大前提となります。その上で、当欄の書き方のポイントとして、以下が挙げられます。

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part7(1)経営理念を盛り込む

 当欄に記載した【経営方針】の妥当性を訴求するために、弊社では経営理念の記載をお勧めしています。弊社では、経営理念はその組織の存在意義を示すものと解釈していますが、経営方針が経営理念に基づくものでない場合、自社の存在意義と相容れないものになってしまい、有効に機能しなくなってしまうリスクが高まってしまいます。

 そこで、経営理念を記載し、それに基づく経営方針であることを述べることで、掲げた経営方針の妥当性を訴求できることになります。

 なお、当計画書の作成において、経営理念のない事業者は、経営理念の策定に取り組む良い機会になるでしょうし、経営理念のある事業者はそのブラッシュアップの良い機会になるとはずです。経営理念について深く解説をしている、下記の面白法人カヤックのホームページを参考に取組んでみてください。

2. 経営理念「つくる人を増やす」 | 面白法人カヤック
カヤックの経営理念「つくる人を増やす」に込められた思いとは?

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part7(2)達成率の測定可能な目標を記載する

 「4.経営方針・目標と今後のプラン」に記載する【目標】は、数値で表すことのできる目標(定量的目標)と数値で表すことのできない目標(定性的目標)に分けられます。前者の例として売上高、利益などが挙げられ、後者の例として顧客満足度や知名度が挙げられます。

 ここでのポイントは、定量的目標は期限を定めることにより、達成率が測定でき、その達成率により次の打ち手が変わってくるということです。達成率99%という目標達成まであと一歩という結果と、達成率1%という目標達成に手も足も出ない結果では、打ち手が異なることは容易に想像できると思います。

 これに対して、定性的目標は期限を定めたとしても達成率の測定は困難です。目標として掲げてはいけないわけではありませんが、最低でも定量的目標の記載は必要と考えています。

採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part7(3)「今後のプラン」と「補助事業計画」の混同に留意する

 「4.経営方針・目標と今後のプラン」に記載された【今後のプラン】が補助事業計画になってしまっているケースを散見します。つまり、当補助金でチラシを作成・配布するという補助事業であった場合、【今後のプラン】がチラシの作成・配布だけの内容になっているというケースです。

 補助金を申請するために当計画書を作成しているわけですから、補助金をどう使うかという計画を盛り込みたいという意識は理解しますが、その内容は【経営計画】ではなく【補助事業計画】に盛り込むべきです。

 【今後のプラン】が補助事業計画になってしまっていることは、補助事業を含めた自社の事業全体に対する俯瞰的な視点がないことを露呈しているとも捉えられ、採択を遠のけるだけでなく、自社の事業自体が上手くいかない可能性を高めてしまいます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金に申請する際に記載する【経営計画】「4.経営方針・目標と今後のプラン」における書き方のポイントとして、(1)経営理念を盛り込む、(2)達成率の測定可能な目標を記載する、(3)「今後のプラン」と「補助事業計画」の混同に留意する、を挙げました。

 ここまで7回にわたって持続化補助金【経営計画】の書き方についてそのポイントを述べてきましたが、以下はそれらをまとめたものです。

 また、上記ポイントを解説した今回までのコラムは以下となります。

 次回からは【補助事業計画】の書き方を見ていきます。

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