経営者が余裕のない状況を切り抜けるにはどうすれば良いのか

経営の姿勢

お礼の言葉を口にできない

 日経新聞に「こころの健康学」という連載があります。執筆しているのは認知行動療法研修開発センターの大野裕氏ですが、ある日の連載を拝見して、ふと考えさせられました。

 その日の連載記事は以下の内容でした。
 精神的な不調で仕事から離れていた方の就労支援をする方々が集まる会合で、ある方が発言しました。その方は、足が不自由で車いすに乗る人の手助けをしたのですが、車いすに乗った人はお礼の一言もなく、その場を立ち去りました。
 お礼を言われたくて手助けしたわけではありませんが、やはり、お礼の一言くらいあっても良かったのではないか、と思ったということです。
 その発言を聞いた、精神的な不調で仕事を離れざるを得なくなった経験のある方が、お礼の言葉を口にしたくてもできないときがある、と発言しました。場合によっては、お礼の言葉を口にしたいと考える余裕がないときもある、と。
 つまり、お礼の言葉を「口にしない」のではなく「口にできない」わけです。

 このお礼の言葉を発することができなかった方には心の余裕がなかったのでしょうが、お礼の言葉をいただけなかった方にも心の余裕がなかったのではないでしょうか。心の余裕がある人は、お礼を言われなかったことに対して、いちいち傷つかないのではないでしょうか。

心の余裕を持つには

 かつて「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏は、「ダム式経営」という概念を主張していました。
 ダムとは水を貯める池であり「ダム式経営」とは、企業は経営資源である「人・物・金」それぞれのダムを作り、余裕を持ってリスクに備えることが重要という考え方です。
 【参考記事】仕事の覚悟を決める

 そして、物理的に余裕を持つ前に必要なのは経営者の心の余裕なのではないでしょうか。経営者として「心に余裕がないな」と感じたら、その心に余裕のない自分が他者から見たらどのように見えるのかを想像してみると良いでしょう。
 他者から見える自分の余裕のない姿を映した画像にテロップを流すとしたらどんなテロップを流すでしょうか。
 この取り組みが、コーチングのメタコミュニケーションという手法です。この観点でご自身を捉えることにより、余裕のない自分から距離を置き、客観的に自身を捉えることが可能となります。
 【参考記事】自社の強みを見つけるための3つの手法プラス1つの手法

 組織のトップが余裕のある人になることで、組織全体の余裕が生まれてくるはずです。それがひいては、人・物・金のダムを構築することに繋がるでしょう。

 そうは言えども・・・と思った方、心の余裕を持つ覚悟を決めましょう。参考記事を再掲します。
 【参考記事】仕事の覚悟を決める

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