チームワークを向上させるために共有するべき3つの内部情報

組織力強化

 「今度の店長は、何も教えてくれないんですよ」

 あるガソリンスタンドで人事異動が発令され、店長の交代がありました。前任は情報開示に積極的でしたが、後任は情報開示に消極的。冒頭の台詞は、前任店長の部下だったスタッフが発したものです。

 同じ職場で働く者同士が情報を共有することは、チームワークの向上を通じたスタッフの育成というプラスの側面があります。同じ情報に基づいて職務に当たることは、【フォロー】をし合ったり、【切磋琢磨】することになるためです。

 ただし闇雲に何でも情報を共有するのは得策ではありません。そこで今回のコラムでは、チームワークを向上させるために、職場内で共有するべき情報を見ていきます。

 重要なことは、店長がスタッフに提供するべき情報を経営者なり上位職がしっかり押さえて、【店長教育】に活かすことです。店長に丸投げでは店舗内での情報共有を進めることは困難となります。

チームワークを向上させるために店長が提供するべき情報1:店長会議の情報

 店長とスタッフの大きな違いは、経営陣との接触の多さです。エリアマネージャーなどの直属の上位職や経営者との接触の多さは、スタッフのそれとは比べ物になりません。

 スタッフは経営陣の考えが気になるものです。経営陣は公式な情報を全社に発信しますが、現場のスタッフが知りたいのは、経営陣の本音などの【非公式】な情報です。この情報を仕入れる絶好の窓口が店長です。

 特に定期的に実施される店長会議における経営陣の発言は、【非公式】な情報を含んでいるものですから、店長としては会議に出席したら、その情報をスタッフと提供するべきです。また、経営陣としても、現場スタッフに伝えてほしい情報を会議で明確にしましょう。

チームワークを向上させるために店長が提供するべき情報2:店長研修の情報

 ガソリンスタンドは、店長次第で業績が大きく変わります。もっともこれは、ガソリンスタンドに限った話ではなく、どんな職種・組織であれ、トップ次第で業績は大きく変わります。

 そこで、経営陣は店長を研修に送り込み、スキルを向上させようとします。研修の場でスキルを向上させたり、新たなスキルを身に着けたりした店長は、高いモチベーションを持って職場に戻ります。ですが、職場では店長が研修に行く前と同じ、当たり前の状況が継続しています。

 店長がこの日々の状況に飲み込まれてしまうと、研修の効果は高いものにはなりません。そこで、店長が研修に参加したら、自店のスタッフを相手に店長が研修内容を【説明】することが必要です。

 これにより、研修に基づく店長の新たな取り組みに対するスタッフの抵抗感が薄れるとともに、スタッフのスキルが向上したり、新たなスキルが身に着く可能性が高まります。もちろん、チームワークも向上することが期待されます。

チームワークを向上させるために店長が提供するべき情報3:上司との面談内容

 店長と経営陣との面談内容を共有することは、店長会議の情報を共有することと似ていますが、店長との個別面談で得られた情報は、よりその店舗に【カスタマイズ】された個別的な情報ということになります。

 店長が経営陣に叱責されたりした内容は、店長にとって部下へ公開したくない情報となりますが、可能であればそのような情報も含め、面談内容は積極的に公開するべきであり、経営陣としても共有してほしい情報がどれなのか明確にして面談する必要があります。

 今回のコラムでは、チームワークを向上させるために共有するべき内部情報として、1.店長会議の情報、2.店長研修の情報、3.上司との面談内容、を挙げました。重要なことなのでもう一度述べますが、上司なり経営陣が店長と接する場合は、どの情報を共有してほしいのか、明確にしておき、その上でフォローすることが必要です。

 くれぐれも店長に丸投げしないようにすることが、各店舗のチームワークを向上させる可能性を高めます。

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