測定不能な目標を掲げた店舗の中長期的売上確保策

目的・目標・手段の切り分け

 今日から新年度となり、新たな目標を立てて業務に励むロードサイド店舗も多いと思います。こちらのコラムで述べたとおり、目的・目標・手段を定義づけし、それらをしっかり切り分けて目標設定をすることが重要です。

 特に、最初は目的・目標・手段を切り分けたつもりでいても、日々の仕事をしていく中で、気がつくと手段をとること自体が目標や目的になりがちですので、常にこれらの切り分けができているかを意識したいところです。

測定可能な目標になっているか

 目標設定については、もう一つ大事なポイントがあります。こちらのコラムにも示しましたが、目標は測定可能なものになっていなければなりません。

 例えば、売上高、来客数、利益、店舗スタッフ数などの目標は、その期間が終わったときに達成できたかできなかったか、測定できます。これらを定量的目標といいます。

 これに対して、「顧客満足度を向上させる」、「店舗の知名度を向上させる」、「地域への影響力を向上させる」などの目標は、その期間が終わったときに達成できたかできなかったか、測定ができません。定性的目標と呼ばれるこれらの目標を設定すると、達成できたかできなかったかだけでなく、達成度も把握できないため、結果を踏まえた次の一手を打つことができない、ということです。そこで、定性的目標を定量的目標に変換する必要があります。

定量的目標へ変換する

 例えば、前述の定性的目標を例にとると、以下のように変換できるのではないでしょうか。

 「顧客満足度を向上させる」→「1年後の顧客満足度調査で10点満点中8点以上と答えた顧客が回答者の5割を占めること」
 「店舗の知名度を向上させる」→「1年後に最寄り駅の通行者の8割が当店の名前を知っていること」
 「地域への影響力を向上させる」→「1年後に商圏人口の5割が来店すること」

まず現状を把握する

 目標は一般的に現状よりも良い状態になっているはずです。そこで、現状を把握することが重要です。

 「顧客満足度調査で10点満点中8点以上と答えた顧客が回答者の5割を占めること」にせよ「最寄り駅の通行者の8割が当店の名前を知っている」にせよ「商圏人口の5割が来店する」にせよ、現状がどうなのかを踏まえ、それにどの程度上乗せした目標なのか、そして、現状と上乗せ分のギャップをどのようにして埋めていくかを明確にしないと、目標は絵に描いた餅になってしまいます。

 そのように考えると、現状を把握することが目標設定の第一歩と言えるはずです。

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