ガソリンスタンドと居酒屋:人材不足を打破する戦略と募集術

コラム

※当記事は2020年11月1日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。弊社LINEのおともだちに登録されると、このような経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。

1.ガソリンスタンドと居酒屋:人材不足を打破する戦略と募集術

 開店直後の居酒屋。暖簾をくぐり、入口のレジに目をやると、1人のスタッフが顧客の会計に追われていました。私を見たスタッフは、一瞬だけ視線を合わせましたが、すぐにまた会計に戻ってしまい「いらっしゃいませ」「少々お待ちください」といった一言もありませんでした。

 仕方なく私は、レジの前に立ち、待つことにしました。5分ほど経っても、他のスタッフは現れません。先ほどのスタッフは、会計を終えると、奥のカウンターに戻ってしまいました。私も、埒が明かないと判断し、帰ることにしました。

 店を出た後、私は思わずため息をつきました。コロナ禍で休業していた飲食店が、徐々に営業を再開しつつあります。ですが、退職や休業したスタッフが戻らず、人材不足に悩む店も少なくないようです。

 今回の記事では、このような居酒屋や、私が長らく身を置いていたガソリンスタンドを始め、ロードサイド店舗が人材不足をどう克服するべきかというテーマから、人材不足に同対策するべきかについて見ていきます。

■早期退職を予防する方法

 人材不足を克服するために、新規スタッフに入社してもらっても、早期退職されてしまうと、育成に要した苦労が水の泡になってしまいます。そのため、退職したくなくなる職場、つまり従業員満足の高い職場にする必要があります。そのためには、能力開発、モチベーション、標準化に取組むことが効果的であり、以下で具体的な方策を述べていきます。

【能力開発】OJTを活用する有効性

 ガソリンスタンドの従業員は、給油やオイル交換などの基本的な業務はもちろん、接客や販売についても、しっかりと教育・研修を受けることが重要です。そのために、OJTを充実させることが求められます。

 OJT(On-the-Job Training)は、職場での実際の業務を通じて、先輩や上司から指導を受けながらスキルや知識を身につける方法です。実践的なスキルを身につけることができ、即戦力として活躍できる人材を育成することができます。また、OJTを通して先輩や上司との信頼関係を構築することもできます。

 このOJTでは、トレーナーをアルバイトスタッフに担ってもらうことで、トレーナー自身の能力開発にもつながり、より効果的な教育・研修が実現できます。

【モチベーション向上】従業員に対する承認の重要性

 従業員のモチベーションを高めるためには、承認することが必要です。承認とは事実を認めることであり、承認されることで、自分の価値や能力を認めてもらえたという安心感や満足感を得ることができます。その結果、自己肯定感や自己効力感が高まり、仕事に対して前向きに取り組む意欲が高まります。

 例えば「今日は○台のお客様に声かけてましたね」「さっき、お客様に感謝されてましたね」「今日は○円の油外収益を稼いだね」といった形で具体的に伝えることが大切です。

【標準化】経営理念を明確にし、判断基準を設ける

 企業が存在する理由や目的、将来の理想像を明文化したものが経営理念です。企業の活動方針の基礎となる考え方であり、経営者や従業員の行動指針となります。

 接客業はマニュアル通りにいかないイレギュラーな対応が求められます。そのため、店舗として共通の判断基準を持つことが重要です。その判断基準こそが経営理念であり、これを明確にして、現場に浸透させることで、共通の判断基準ができ、仕事が標準化されます。

 これらの施策を講じることで、従業員満足が向上し、早期退職を防ぐことが可能です。これらに取組むともに、以下の方法で人材を募集することが効果的と言えます。

■効果的な人材募集方法

【若年層をターゲットとしたSNSを活用する】Twitterの活用

 ガソリンスタンドの求職者層は、若年層が多い傾向にあります。そのため、若年層に人気のSNSを活用することで、より多くの求職者にリーチすることができます。

 具体的には、TwitterなどのSNSで、店舗の日常に関する情報発信を行い、フォロワー数を集めます。その上で人材募集の告知を行うことで、効果的な人材募集活動を行うことができます。

【店舗のビジョンを示す】共感する人材を募る

 店舗のビジョンや目標を示すことで、そのビジョンに賛同した人材の応募意欲を高めることができます。また、ビジョンや目標を明確にすることで、店舗の魅力を伝えやすくなります。

 例えば、「1年後に売上を2倍にして、市内にもう1店舗の新規出店を行いたい」というビジョンは、規模拡大に寄与したい、新店舗で働いてみたいという希望を持たせることが可能になります。

【店長の写真を掲載する】誰と働くかを知らせる

 応募を検討する際に、応募者が気になるのは、給与や業務内容だけではありません。どのような方と働くのかというのも、重要なポイントです。

 そこで、店長の写真を求人媒体に掲載することで、応募者の不安を解消し、応募意欲を高めることができます。ただし、「盛り過ぎた」写真は、相手を失望させてしまうリスクがあります。そのため、素のままの写真を掲載することが重要です。

これらのポイントを押さえることで、人材募集をより効果的に行うことができますが、その次には、応募者に面接に来てもらう必要があります。その確実性を高めるためには、以下の方策があります。

■面接の確実性を高める方法

【店頭での募集告知】応募検討者を取り込むために

 人材募集にあたって、応募者の2人に1人が店舗の様子を見に来ることが分かっています。その際、店頭に人材募集の告知がなかった場合、本当に募集しているのか不安を抱くことがあります。そこで、店頭において募集告知をすることは、その不安感の解消に役立ちます。

【即アポを取る】スピードが必要

 面接日程の一覧表を作成し、既存スタッフに周知することで、応募者からの問い合わせがあった場合、誰が電話をとっても面接日程を決めることができるため、スピード感を持って対応することができます。また、応募者にとっても、スムーズな対応がされることで、貴店に対する印象が良くなります。

【前日の電話でドリンクを聞く】リマインドに工夫を

 面接の前日に応募者に電話をして、面接時にコーヒーやお茶などのドリンクを準備するため、どのドリンクを希望するかを聞くことは、応募者に対して貴店が真剣に採用を考えていることをアピールすることができます。

 また、応募者にとっても、貴店に対する印象が良くなります。そのため、面接の前日に電話をすることで、応募者が面接に来る意欲が高まり、面接のすっぽかし減少が期待できます。

 人材不足に喘ぐ飲食店やロードサイド店舗にとって、人材確保は大きな課題です。早期退職を防ぐためには、能力開発、モチベーション向上、標準化など従業員の満足度を高めることが大切です。また、効果的な募集方法や面接前の対応にも工夫が求められます。これらをぜひ参考にして、人材不足を解消していきましょう。

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