ガソリンスタンドの成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法

コラム

 ※当記事は2020年9月6日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。弊社LINEのおともだちに登録されると、このような経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。

1.ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法

■熱意の力:小規模事業者持続化補助金の相談から学ぶ

 先日、ある商工団体が主催した小規模事業者持続化補助金の相談会に伺ってきました。今回含め、これまで多くの事業者に対して補助金の相談に乗ってきましたが、補助金に採択される方と不採択になってしまう方は、相談時の姿勢でほぼ判断がつきます。

 採択される方にあって、不採択の方にないもののひとつに「熱意」が挙げられます。採択される方は、腑に落ちないことは、納得いくまで質問を繰り返します。また、事前に補助金制度についてしっかり調べて来ていますので、相談に対する回答の理解もスムーズという特徴もありますが、これも「熱意」がそうさせるのでしょう。

 このように「熱意」は、補助金に限らず、ビジネスを成功に導くためのポイントですが、ガソリンスタンドにおいては、これを履き違えているケースがあります。

■「熱意」と「しつこさ」の違い

 「熱意」を履き違えると「しつこさ」になってしまいます。「熱意」は、相手のことを思う気持ちがある一方、「しつこさ」は、押しつけがましさを感じさせます。そして、この「しつこさ」はガソリンスタンドの販売姿勢でも度々問題になってきました。

 ガソリンスタンドが、洗車やオイルなどガソリン以外の商品を販売しようとすると「押し売り」と呼ばれることがありますが、自店の儲けのため、ノルマ達成のためといった顧客のことを想う気持ちがないと「しつこさ」が発生し、しつこい販売が押し売りに該当します。

 ちなみに「熱意」もなく「しつこさ」もないのは「御用聞き」と言えます。ガソリンスタンドで給油中に何の前触れもなく、突然「洗車いかがですか」「点検いかがですか」と声を掛け、断られたらあっさり引き下がるケースであり、これも押し売り同様、効果は大きくありません。

 ガソリンで利益がなかなか出ないため、洗車やエンジンオイルなどのガソリン以外の商品、いわゆる油外商品を販売していくことが、ガソリンスタンドが生き残る方策のひとつと言えますが、「しつこさ」を感じさせず「御用聞き」にもならずに「熱意」を持って、油外商品を販売するにはどうしたらよいのでしょうか。

■イソップ寓話から学ぶ:優しさの力

 イソップ寓話のひとつに「北風と太陽」があります。冬のある日、北風と太陽は、どちらが強いかを競い合いました。北風は、強風を吹かせて旅人の上着を吹き飛ばそうとしましたが、旅人は着ている上着をしっかり押さえ、北風の吹き飛ばしを防御しました。

 一方、太陽は旅人の上着を脱がそうと、優しく日差しを浴びせました。旅人は、太陽の暖かさに耐えきれず、上着を脱いでしまいました。優しさに劣る北風は太陽との力比べに負けてしまったわけですが、この寓話は、力で相手をねじ伏せるよりも、優しさで相手の心を動かす方が、効果的であるということを教えています。

 このことを販売に活用すると、顧客との関係性を作り、深めていくことが考えられます。熱意を持って顧客を理解しようとすることによって、顧客と仲良くなり、これまで他店で行っていた洗車やエンジンオイル交換を当店で行ってもらうという方策です。

 具体的に、ガソリンスタンドで顧客との関係性を構築する方法は以下の通りです。(1)笑顔を見せる 、(2)目を見せる 、(3)行動を分ける、(4)雑談をする、(5)名前で呼ぶ

 以下でこれらを解説していきます。

■ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法(1)笑顔を見せる

 「スタンバイスマイル」を作りましょう。軽く奥歯を噛み、片方の口角を上げ、その状態でもう片方の口角を上げます。航空会社のキャビンアテンダントの方が良く出している表情です。このような、笑顔の一歩手前の表情を作ることで、自身の発するオーラが柔らかいものになり、顧客との関係性が構築しやすくなります。

■ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法(2)目を合わせる

 顧客と目を合わせて接客することにより、自分の目を顧客に見せ、自分の心の状態を顧客に公開することも関係構築のポイントです。なお、接客中は常に目を合わせている必要はありません。顧客とのやり取りの端々で2~3秒間、視点を合わせ、それ以外は顧客の目と目の間や、顔全体を見ると良いでしょう。

■ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法(3)行動を分ける

 ガソリンスタンドのスタッフの中には、お辞儀をしながら「いらっしゃいませ」と言ったり、他の顧客に足を向けつつ目の前の顧客に「ありがとうございました」と言ったりするなど、話すことと動くことを分けないケースが多々あります。

 これは、ひとつひとつの動作を大事にしておらず、粗末に接客された印象を与えるリスクがあります。可能な限り、行動を切り分けることで好感を与える可能性が高まります。

■ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法(4)雑談をする

 「木戸に立ちかけし衣食住」とは、会話の話題づくりに役立つとされる言葉です。気象、道楽、ニュース、旅、知人、家庭、健康、仕事、衣食住の頭文字を並べたもので、共感されやすく、当たり障りのない内容です。これらをきっかけに雑談ができれば、心理的な距離感を縮めることが可能となります。

■ガソリンスタンド販売の成功法則:顧客との深い関係性を築く5つの方法(5)名前で呼ぶ

 顧客を名前で呼ぶことは、顧客との関係性を深めるために効果的な方法のひとつです。顧客に親近感を持ってもらうために、そして、自分は顧客であると感じてもらうために、「お客様」ではなく「〇〇様」と、お名前で呼んで差し上げることができる関係になると、顧客と店舗スタッフの距離感はグッと縮まり、関係が深くなってきます。

■関係性の深化が成功への道

 この記事では、小規模事業者持続化補助金の相談会で感じた「熱意」の重要性について考察しました。 特にガソリンスタンドでの販売に関しては、「熱意」を持ちつつ、顧客との関係性を築くことが求められます。顧客を尊重し、「押し売り」「しつこさ」「御用聞き」を排除する必要があります。

 イソップ寓話で見たように、優しさと心の温かさが顧客の心を動かす力であることがわかります。顧客との深い関係を築くためには、笑顔や目を合わせることから始まり、行動の切り分け、雑談を通じたコミュニケーション、そして名前で呼ぶことによる親近感の醸成が重要です。

 ガソリンスタンドが生き残るためには、油外商品の販売がひとつの方策となります。と思いやりを持って、顧客との関係を保ち、成功への道を歩みましょう。

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