ガソリンスタンド経営者必見!人手不足を解消する秘訣とは?

コラム

1.ガソリンスタンド経営者必見!人手不足解消の秘訣とは?

 ※当記事は2020年8月30日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。LINEのおともだちに登録されると、このような経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。

■従業員満足を理解しよう!

 ガソリンスタンドは、お客様にガソリンや車の修理などのサービスを提供することで、お客様の生活を支えています。しかし、ガソリンスタンド経営者が抱える悩みのひとつに「人手不足」が挙げられます。

 「うちは高い給料を出せないから」「最近の若者は忍耐力がなくて」と言う前に、従業員満足を理解することが、この悩みを解決するひとつの方策です。従業員満足は、標準化・能力開発・モチベーションから構成されると言われますが、今回は、「標準化」に焦点を当てて、解説していきます。

■業務の標準化とは?

 「業務の標準化」というと、マニュアル化が思い浮かびますが、ガソリンスタンドは人間を相手にしますから、マニュアル通りに業務が進まないことも多々あります。この場合、先輩にどうしたらいいか聞いて、先輩の判断で動いたり、自身で判断して対応したりすることになります。

 この時に、その人によって判断基準が異なっていると、顧客は違和感を抱きます。私がガソリンスタンドの運営会社に勤務し、店長として現場にいた時に、オイル交換をしてくださった顧客から「無料で車を洗ってほしい」と言われ、「当店の洗車は有料です」と返したところ、「以前はやってくれた」と言われたことがあります。

 このように「オイル交換に対する感謝の気持ちをどう表すか」という判断が、スタッフによって異なると顧客はガッカリするものです。

 スタッフの判断基準を設けることは、標準化が進むことになりますが、この判断基準の役割を経営理念が果たします。なぜなら経営理念は「自店はなぜ存在しているのか」という問いに対する答え、つまり存在意義であるためです。

 よって、これがあるとスタッフは、マニュアルで対応できない事象が発生しても経営理念に則って判断することが可能となるでしょう。これについて、以下の事例をご紹介します。

■アイリスオーヤマの事例から学ぶ経営理念の重要性 

 宮城県に本社を置くアイリスオーヤマ株式会社の経営者である大山健太郎氏は「ユーザーイン」という経営哲学のもと、経営理念の浸透に努めてきました。よって「ユーザーイン」が経営理念とも解釈できます。

 このアイリスオーヤマのグループ会社に、宮城県内各地でホームセンター「ダイシン」を展開する企業があります。その中のダイシン気仙沼店が2011年に発生した東日本大震災で被災した際の話です。

 店内は津波の影響で水浸しとなり、停電も発生したため、営業ができなくなりました。しかし、被災者が毛布や乾電池などを求めて店舗に殺到したため、翌日から営業を再開させました。

 店内は水浸しかつ停電の状況ですから、顧客は入店できません。そこで店舗スタッフは店頭で顧客が購買したいものを伺い、店内からそれを探し出し、店頭でお渡しすることにしました。とはいうものの、被災者の顧客の中には、財布が手元にない方もおりました。

 そこで、当時の店長は、財布が手元にない方に対して、ノートに名前と連絡先、商品の金額を書いてもらった上で商品をお渡しすることにしました。なお、ノートに名前を書いた方は、後日、全員が支払いに来ました。

 さらに当店は、顧客に暖を取っていただくために、来店客に灯油10リットルを無料で配布しました。これを知ったテレビ局が取材に来た際に、店長は「クビになるかもしれません。でもそれでもいいんです」と言いました。

 アイリスオーヤマの経営理念に基づいた、この店長の行動を聞いた社長の大山氏は、クビにするのではなく、「誇りに思う」と語っています。この事例は、アイリスオーヤマの経営理念がいかに現場に浸透しているか、そして経営理念が判断基準として有効に機能することを示しています。

 経営理念を明確にして、浸透させ、判断基準として機能させることにより、業務の標準化が進み、従業員満足が高まり、定着率向上が人材不足を予防することになります。では、人材不足に陥ってしまっている場合は、どうすればいいのかを見ていきます。

■人材不足解消に向けた効果的な対策を考えよう

 前述のように従業員満足は、標準化、能力開発、モチベーションから構成されますが、それが低いということは、経営理念がない、あっても浸透していない、人を育てることに消極的、ヤル気が低い店舗と言えます。よって、人材が辞めていき、人手不足に陥ることになります。

 人手不足に陥れば、人材を雇用しなければならないわけですが、そのためには、募集、面接をし、めでたく採用出来たら、ユニフォームやロッカー、名札一式を準備し、その上で一から仕事を教える必要があります。

 ですが、授業員満足が低い店舗、つまり経営理念がない、あっても浸透していない、人を育てることに消極的、ヤル気が低い店舗ですから、採用されたスタッフは徐々に「従業員不満足」が高まっていき、早期に退職してしまいます。

 それは、募集、面接、ユニフォームやロッカー、名札一式を準備し、その上で一から仕事を教えるという手間がかかっただけで、人手不足は一向に解決されません。

 よって、採用活動と同時並行というか、出来れば優先的に従業員満足の向上に努める必要があります。バケツに入っている水が少ないので補充しようとしても、バケツの底に穴が開いているから水が少ないのであれば、まずは、穴を塞ぐ必要があります。従業員満足を検討せずに募集をすることは、穴の開いたバケツに水を注いで「いつまでも満水にならない」と嘆いているようなものです。

 今回は、従業員満足を向上させるための方策のひとつとして、標準化について解説してきました。そのために、経営理念を明確にし、浸透させていきましょう。

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