新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンド3つのポイント

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 多くのガソリンスタンドは収益を安定させるために、オイルやタイヤといったガソリン以外の商品(油外商品)販売に注力しています。そんな中、あるガソリンスタンドスタッフが発した以下の質問に触れる機会がありました。

 油外商品ですが、オイルやタイヤなど車関係の商品にこだわらなくても良いのではないでしょうか。例えば、夏ならキンキンの氷に冷やされたラムネ、冬なら暖かそうな湯気でそそるお汁粉などが売れるんじゃないでしょうか。このアイデアを店長に提案したいのですが、どう思いますか。

 ガソリンスタンドは元々車に接する商売をしていますから、車関連の商品である油外商品を販売していくことは、専門性が活用できるので有効な考え方であるはずです。ですが、どのガソリンスタンドも同じことに取組んでいるのであれば、違った方向から事業を考えることも有効であり、上記のスタッフが持つアイデアは「あり」だと感じました。

 今回のコラムでは、このような新規事業のアイデアをどんどん獲得したいガソリンスタンドは、どのような取組みをするべきかを見ていきます。

1.新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドが押さえるべきポイント

新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドが押さえるべきポイント(1)円滑なコミュニケーションの状態を定義する

 ガソリンスタンドであれば、職場のトップである店長が円滑なコミュニケーションをとることができれば、部下は新規事業のアイデアを話してくれるでしょう。そこで、米国の心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリ・インガム氏はコミュニケーションを円滑化する考え方として「ジョハリの窓」をご紹介します。

 私たちには「自分が分かっている自分」「自分が分かっていない自分」「他人が分かっている自分」「他人が分かっていない自分」があり、これらを組み合わせると上図4つの窓があることになります。これをそれぞれ解説していきます。

  •  図の左上の「開放の窓」は「自分が分かっており、他人も分かっている自分」です。例えば、自分が短気であり、他人もそれを知っているケースです。「ボクは短気でして、あだ名は瞬間沸騰湯沸かし器なんです」といったことを言う方にとって、短気である自分は「開放の窓」に該当する自分でしょう。
  •  図の左下の「秘密の窓」は「自分が分かっており、他人は分かっていない自分」です。例えば、誰にも言えないトラウマを抱えていたり、秘密の趣味を持っていたりするケースです。このトラウマを抱えている自分、秘密の趣味を持っている自分は「秘密の窓」に該当する自分でしょう。
  •  図の右上の「盲点の窓」は「自分が分かっておらず、他人が分かっている自分」です。例えば、瞬きの多さを他人から指摘され、初めてそれに気付くようなケースです。この瞬きの多い自分は「盲点の窓」に該当する自分でしょう。
  •  図の右下の「未知の窓」は「自分が分かっておらず、他人も分かっていない自分」でしょう。

 これら4つの窓のうち、円滑なコミュニケーションを図ることができる人は「開放の窓」が広い人とされています。では、この「開放の窓」を広げるためにどのようにするべきかを以下でご紹介します。

新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドが押さえるべきポイント(2)店長が自己開示をする

 この「開放の窓」を広げていく方法ですが、まず、リーダーが自身の身の回りに起こったことや、自身の考えなどを自己開示することにより、以下のように「開放の窓」が下へ広がるでしょう。

 例えば、自分はガソリンスタンドの仕事の中で何にやりがいを感じ、何が嫌いなのか、日々どんなことで苦労しているのか、趣味は何で、休みの日は何をしているのかなど、とにかく自分をオープンにすることです。リーダーが自身の弱みを包み隠さずオープンにすることは、職場の風通しが良くなる効果が期待できます。

 ここで、部下に自分の話をしてもしょうがない、と思った方は、部下をリスペクトしていないから部下は自分の話を聞いてくれないことに気付くべきです。人は、自分に興味を持ってくれる人に興味を持ち、自分をリスペクトしてくれる人をリスペクトするものです。そのような心持ちで、自己開示を続けた上で、次にこの窓を横へ広げる取組を行います。

新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドが押さえるべきポイント(3)フィードバックを傾聴する

 自己開示をした結果、部下が「うちの店長は何でも話してくれる人」と判断するようになると、フィードバックをしてくれるようになる可能性が高まります。そしてフィードバックをしっかり聞くようにすると、部下は「うちの店長は何を話しても大丈夫な人」と判断します。

 その話を「聞く」のではなく「聴く」ようにすると、部下はより積極的に自身の考えや意見、アイデアを打ち明けてくれるようになるでしょう。そして、部下をリスペクトしていないと「聴く」ことはできないことにも気付くべきです。

 そのようにして得た部下の話には、新規事業のアイデアやそのヒントも含まれます。以下の図がこのようになった状態です。

 つまり、自身をオープンにでき、様々な意見を受け止める度量のあるリーダーが新規事業のネタを見つけることができると言えるでしょう。今回のコラムでは新規事業のアイデアを得るために(1)円滑なコミュニケーションの状態を定義する、(2)店長が自己開示をする、(3)フィードバックを傾聴する、を述べました。まずは試しにご家族に対して実施してみてはいかがでしょうか。

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