セブンイレブンの人事から考えるモチベーション3つの向上策

モチベーション

 セブンイレブンが、店舗指導に当たっている社員約3,000人のうち、2,000人を店舗オーナーの業務代行など店舗支援の部署に配置転換する方向で検討しており、一部の社員が不当人事だと反発していることが報道されました。

 これが実施されることで起こり得る問題のひとつは、異動を発令された社員のモチベーションが下がることです。今回のコラムでは、私がガソリンスタンド運営会社に勤務し、現場で店長をしていた頃に、このような人事異動で赴任してきた部下のモチベーションをどのように向上させたかをご紹介します。

セブンイレブンの人事から考えるモチベーションの向上策1:発言を承認する

 当時勤務していたこの会社は、複数のガソリンスタンドを展開していましたが、他店のある店長が、降格して私の部下になりました。その降格は店長からの1ランクダウンではなく、3ランクダウンというものであり、不当人事の匂いがしていました。

 降格した彼が私の職場に赴任してきて、まず私に発した言葉は「私、タイヤ売りたくないんです」でした。当店がタイヤを大量販売しており、ガソリンで儲からない状況であってもタイヤで利益を上げていたことは、全社的に周知されており、当然、彼も知っています。その上でのこの発言は、屈辱的な人事異動を発令され、内心穏やかではない彼の八つ当たりでしょう。

 これに対して私が「販売が得意な商品は何ですか?」と問いかけたところ、「車検」という答えが返ってきました。なので、タイヤは一切売らなくていいことを伝えて彼の発言を承認し、その分、車検で稼いでくれればいいことを伝えました。

 その後、彼はタイヤに集中して販売をし、実績を上げ始めます。後日、なぜ車検ではなくタイヤに集中して販売したのかを聞いたところ、「自分の発言を認め、受け入れてくれたから」との回答が返ってきました。

セブンイレブンの人事から考えるモチベーションの向上策2:行動を承認する

 彼は、給油中にタイヤの空気圧点検の声掛けをして、それをきっかけに、擦り減ったタイヤを見出し、アプローチをしていきました。ですが、その日の気分によっては、空気圧の点検台数が少ない日もありました。

 そこで、私は「今日の午前中、〇台に空気圧点検の声掛けしていましたね」と彼の行動の承認を日々繰り返しました。当店の客数からして半日に30以上の声掛けをすることは、結構頑張らないとできません。承認は言葉の報酬ですので、半日で声掛け数30以上の場合に限り、前述の承認の言葉を掛けました。

 結果として、徐々に彼の点検台数が増加しました。このことは、擦り減ったタイヤが見つかる可能性を高め、結果としてタイヤの販売が促進されました。

セブンイレブンの人事から考えるモチベーションの向上策3:職務を深くする

 それからしばらくして、私は彼と話し合い、彼のタイヤ販売におけるアプローチ方法や、その商談の進め方を彼自身がアルバイトスタッフに指導・教育してもらうことにしました。

 この取組みのポイントは、タイヤ販売で実績を出している彼の販売力をもって、洗車やオイルの販売といった形で職務を広くするのではなく、タイヤの更なる拡販を目的として、彼にマネジメントの領域に踏み込んでいただくという形で職務を深くした点です。

 店長から3ランクダウンした彼の職位は、マネジメント関連の職務は期待されていない職位でした。ですが、元店長の彼はアルバイトスタッフの指導や管理などマネジメントができるはずであり、結果としてこの取組みにより、彼のモチベーションは向上し、タイヤ販売はさらに促進されることとなりました。

 今回のコラムでは、セブンイレブンの人事から考えるモチベーションの向上策として、1.発言を承認する、2.行動を承認する、3.職務を深くする、を挙げました。

 本社が良かれと思って発令した人事異動も、発令された側からすると、不当人事と捉えられることはあり得ます。誤解を招かない発令が重要であることは言うまでもありませんが、モチベーションを向上させるこれらの方策は、経営者から中間管理職へ日頃から伝えておく必要があります。

 どんなにスキルが高くても、モチベーションが低かったらそのスキルは発揮できません。反面モチベーションが高ければ、今はスキルが低くてもいずれ高いスキルが身に付き、戦力となる可能性が高まります。

当コラムの解説動画

vol.6_セブンイレブンの人事から考えるモチベーション3つの向上策

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