新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンド2つのポイント

 ガソリンスタンドは収益を安定させるために、オイルやタイヤといったガソリン以外の商品(油外商品)販売に注力しています。そんな中、あるガソリンスタンドスタッフが発した以下の質問に触れる機会がありました。

 油外商品ですが、オイルやタイヤなど車関係の商品にこだわらなくても良いのではないでしょうか。例えば、夏ならキンキンの氷に冷やされたラムネ、冬なら暖かそうな湯気でそそるお汁粉などが売れるんじゃないでしょうか。このアイデアを店長に提案したいのですが、どう思いますか。

 このアイデアの実現性はともかく、評価したいのは、このようなアイデアを現場スタッフが考える組織風土です。ガソリンの需要が減少している現在、ガソリンスタンドは油外商品を販売し、その利益をもとに新規事業の立上げを検討していかなければ、生き残りは困難な状況です。

 とはいえ、新規事業のネタが見つからないから苦労するわけで、今回のコラムでは、新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドはどのような取組みをするべきかを見ていきます。

ジョハリの窓

 米国の心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリ・インガム氏はコミュニケーションを円滑化する考え方として「ジョハリの窓」を提唱しました。

 私たちには、「自分が分かっている自分」、「自分が分かっていない自分」、「他人が分かっている自分」、「他人が分かっていない自分」があり、これらを組み合わせると4つの自分があることになります。

 図の右上の「盲点の窓」は「自分が分かっておらず、他人が分かっている自分」です。例えば、会社帰りに何故かキャバ嬢の亜由美がいるclubプラチナへ行ってしまう。本人はその理由が分からないのですが、奥さんはご主人が亜由美に好意を抱いていることを把握している状態です。キャバクラに通う妻帯者としては危険な状態です。

 図の右下の「未知の窓」は「自分が分かっておらず、他人も分かっていない自分」です。clubプラチナで働くキャバ嬢の亜由美に好意を抱いていることを自分が気付いておらず、奥さんも知らない状態です。奥さんに至っては、ご主人がキャバクラに通っていることも知らないでしょう。キャバクラに通う妻帯者としてはこれが一番平和な状態です。

 図の左下の「秘密の窓」は「自分が分かっており、他人は分かっていない自分」です。ご主人がclubプラチナで働くキャバ嬢の亜由美に好意を抱いていることを自分は知っているけれども、奥さんが知らない状態です。キャバクラに通う妻帯者は概ねこの状態です。

 そして、図の左上の「開放の窓」は「自分が分かっており、他人も分かっている自分」です。clubプラチナで働くキャバ嬢の亜由美に好意を抱いていることを奥さんに問い詰められたご主人が開き直った状態です。キャバクラに通う妻帯者の夫婦関係にひびが入ります。

 何でもかんでもオープンにすれば良いわけではないのですが、ビジネスの場において、リーダーが開放の窓を適切に広げることは、コミュニケーションが円滑化する可能性を高め、結果として新規事業のアイデアを得やすくなります。

新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドのポイント1:リーダーが自己開示をする

 前述のご主人は秘密にしておけばいい秘密の窓を開示し、開放の窓にしてしまったため、夫婦関係にひびが入ることとなりました。

 ですが、ガソリンスタンドのリーダーとして、自身の身の回りに起こったことや、自身の考えなどを自己開示することにより、以下のように開放の窓が下へ広がります。

 例えば、自分はガソリンスタンドの仕事の中で何にやりがいを感じ、何が嫌いなのか、日々どんなことで苦労しているのか、趣味は何で、休みの日は何をしているのかなど、とにかく自分をオープンにすることです。特にリーダーが自身の弱みを包み隠さずオープンにすることは、職場の風通しが良くなります。

 ここで、部下に自分の話をしてもしょうがない、と思ったあなた。部下をリスペクトしていないから部下はあなたの話を聞いてくれないことに気付くべきです。人は、自分に興味を持ってくれる人に興味を持ち、自分をリスペクトしてくれる人をリスペクトします。

 そのような心持ちで、自己開示を続けた上で、この窓を横へ広げます。

新規事業のアイデアが欲しいガソリンスタンドのポイント2:フィードバックを傾聴する

 自己開示をした結果、部下は「うちのリーダーは何でも話してくれる人」と判断します。さらに自己開示を継続し、部下の考えを聞くようにすると、部下は「うちのリーダーは何を話しても大丈夫な人」と判断します。

 その話を「聞く」のではなく「聴く」ようにすると、部下はより積極的に自身の考えや意見、アイデアを打ち明けてくれるようになります。そして、部下をリスペクトしていないと「聴く」ことはできないことにも気付くべきです。

 そのようにして得た部下の話には、新規事業のアイデアやそのヒントも含まれます。以下の図がこのようになった状態です。

 つまり、自身をオープンにでき、様々な意見を受け止める度量のあるリーダーのガソリンスタンドが新規事業のネタを見つけることができると言えるでしょう。まずは試しに家族から、と思った方は気を付けて開放の窓を広げてください。

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円

タイトルとURLをコピーしました