多忙を極める自分との向き合い方

コラム

自分に何が起こっているのか

 昨日の日経夕刊にコメンテーターの安藤和津氏がコラムを寄稿されていました。その内容は、過去に介護・家事・仕事に追われ、鬱になり、数ヶ月前にその鬱から脱出できたというものです。その話の中で、気になった文章が「恐ろしいのは自分に何が起こっているのかさえ気づかず、目の前に山積みにされた『やらねばならぬ』」現実をやっつけて行くしかなかったことだ」という一節です。
 この「自分に何が起こっているのか」、これを知ることが健康な日々を送るために重要なことなのですが、渦中にいる人ほど、その視点は失われがちです。

忙しさは忙しさを呼ぶ

 ロードサイド店では、店内が混雑するラッシュアワーがあります。怒濤のように押し寄せる顧客、商品に関する質問、クレーム、鳴り響く電話・・・・なんでこんな時に電話が鳴るのか、と思うくらい、忙しさは一気にやってきます。
 また、ロードサイド店の経営会議や上司・部下との議論が白熱し、口角泡を飛ばして意見の応酬をすることがあります。「なんでわかってくれないのだろう」「負けたくない」このような意識から、議論はさらにヒートアップします。

3カメ映像とテロップ

 このような多忙な、もしくは、白熱した状況を、私たちは私たちの視点で認識しています。しかし、顧客もしくは議論の相手はその状況を顧客もしくは議論の相手の視点で認識しています。
 テレビなどの放送用カメラになぞらえて、自分の視点を1カメ、相手の視点を2カメ、とします。ここで重要なのは、自分でも相手でもない、当事者以外の3カメです。

 忙しさに巻き込まれた時に、「この状況を3カメで撮ったらどのような映像になるのだろう」と考えます。議論が白熱した際も同様です。そしてその映像にテロップを流します。「忙しさに翻弄される店長」「部下との議論に負けたくない上司」など様々なテロップが考えられます。

 この3カメ映像とテロップの想定を行うことは、渦中に巻き込まれていない状況を作り出し、「自分に何が起こっているのか」を客観的に探ることが可能となります。忙しいことと顧客が多いこと・仕事が多いことは別の話です。「忙しい」とは字のごとく心を失っている、すなわち自分を見失っている状態です。
 顧客が多くても仕事が多くても、議論が白熱しても、自分と向き合い、落ち着いて冷静に対処するためには、3カメ映像にテロップを流すという、渦中に心をリセットし、客観化する作業を習慣化していく必要があります。

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