小規模事業者持続化補助金で新規顧客を開拓した美容室の事例⑥

小規模事業者持続化補助金

 ターゲットを意識し、「効果」と「目標」を切り分け、公的な視点で効果を検討することで小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

1.小規模事業者持続化補助金「美容室」採択のポイント

 小規模事業者持続化補助金を活用して、店舗のバリアフリー化と洋服や小物類販売に関する費用を調達するために、ある美容室の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<補助事業計画>内の「4.補助事業の効果」を見ていきます。

(1)内容を整理する

 同店が事前に書かれてきた内容を整理すると概ね以下の内容となりました。

 ①車椅子を使用してご来店なさる既存顧客は、駐車場から店内へ枕木や石が敷かれ、段差がある店内への入店が大変なので、入店の介助が必要であるが、転倒するリスクがある。

 ②この介助には当店スタッフも含め2人がかりで、入店時15分・退店時15分の合計30分を使っているが、介助の必要が無くなれば、その時間を使って今までお断りしていた顧客の受け入れが出来る。

 ③出入口のバリアフリー化により介助が必要な顧客の入退店を容易にすれば、気兼ねのない入退店により、顧客満足度が向上し、当店も介助の負担を減らし時間を有効に使う事で入客数を増やすことが可能となる。

 ④美容室で洋服や小物類の買い物が可能になれば、トータル的なおしゃれの幅が広がり、買い物弱者の方に対して買い物しやすい環境を作ることが出来る。

 ⑤既存顧客の満足度を向上することで、新規顧客のご紹介に繋げることが出来る。これにより、売上高は1年後5%アップ、2年後10%アップ、3年後20%アップを目指す。

 整理したこれらの内容をブラッシュアップしていくこととなります。

(2)ターゲットを意識する

 上述で示された効果は、車椅子を利用される方への介助に関する効果ですが、本事業のターゲットには、小規模事業者持続化補助金で新規顧客を開拓した美容室の事例⑤で示したように、ベビーカーを利用する方も含まれていたはずです。そのような方々に関する効果についての記載が抜けているため、追記していただきました。

(3)「効果」と「目標」を切り分ける

 上述の⑤は語尾が「目指す」となっており、効果ではなく目標と捉えられてしまう可能性があります。当欄は効果を記載する欄ですので、「目指す」数値ではなく「見込める」数値を盛り込んでいただきました。

(4)効果は3方向から検証する

 上述の効果は、自店の効果、顧客の効果が述べられていますが、補助金という公的資金を使う以上、地域社会もしくは世間といった社会的な効果も盛り込む必要があります。

 今回の事例であれば、充実したおしゃれをワンストップで得られることで、車椅子やベビーカーを使って外出するモチベーションが高まり、地域の消費が活性化することなどが挙げられます。

 もちろん、自店や洋服小物類の販売に協力していただける小売店の収益性が高まることにより納税額が増加する点も社会的な効果と言えるでしょう。

 このようにして、様式2-1<補助事業計画>内の「4.補助事業の効果」をブラッシュアップしました。理美容業は競争が激しく、東京商工リサーチによると、同業界の昨年1年間の倒産数は過去最高となっています。これに新型コロナの影響が輪をかけていますが、こういう時こそ他店との差別的優位性が問われます。その際に、小規模事業者持続化補助金の活用をしてみてはいかがでしょうか。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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