小規模事業者持続化補助金でコロナに立ち向かう飲食店の事例①

小規模事業者持続化補助金

 新型コロナウイルスの感染リスクは様々な業種・業態に深刻な影響を及ぼしていますが、飲食店に対する影響も甚大であると言えるでしょう。そのような中、新型コロナウイルスの影響で客数減少に見舞われたある飲食店が、小規模事業者持続化補助金に採択され、これを活用して逆境に立ち向かった事例をご紹介します。

1.小規模事業者持続化補助金「飲食店」採択のプロセス

(1)補助金活用を検討したきっかけ

 同店は、ランチタイムはうどん店として、夕刻からは居酒屋として営業しています。経営者は自店がクラスターになってしまうことを避けるべく、ご来店なさった顧客同士の距離をしっかりとれるように店内のテーブルの位置などを変えました。

 ですが、店舗面積が変わらない以上、客席を間引きするということは実質的に店舗のキャパシティを縮小することとなります。そこで同店経営者は、店舗内の未使用スペースも客席として使えるように店舗改装をしたいと考えるようになりました。

 この費用を小規模事業者持続化補助金で賄えないかと地元の商工会へ相談したところ、経営指導員がご紹介する形で、弊社が同店のご相談に乗ることとなったわけですが、店舗のキャパシティを拡大しただけで客数が戻るとは考えにくいわけです。そこで、やり取りを重ねた上で、店舗改装に以下の取組みを付加することとしました。

(2)客数の拡大策を検討する

 まず、夜間の人出は激減している状況でしたので、ランチタイムの客数確保を検討しました。具体的には、店舗拡張をしたことでソーシャルディスタンスがより確保しやすくなったこと、また、当店独自のうどんの特徴を盛り込んだチラシ約2,500部を新聞に折り込んで配布することとしました。

(3)客単価の向上策を検討する

 ランチタイムにご来店いただいた顧客は、夜の居酒屋タイムにおける見込み客となりますが、ソーシャルディスタンスが確保されているという点をアピールしただけでは、夜の集客力向上策としては、いささか弱いと考えました。

 同店の経営者は、もともと魚の行商人をしており、築地市場に出入りをしていた経験もあることから、新鮮な魚を仕入れるための目利き力には自信を持っておられました。同店は、その目利き力を使って、日々市場から魚を仕入れており、居酒屋タイムではそれらをお刺身などにして提供しています。

 そのような強みをアピールするポスター2枚を小規模事業者持続化補助金で作成することとしました。

 ランチタイムに同店を利用する顧客の多くは店内の大型テレビを観ながら食事をします。そこで、テレビのそばにこのポスターを掲示することとしました。このようにして、ソーシャルディスタンスを意識した店舗改装→ランチタイムの集客力向上→居酒屋タイムへの誘導、といった動線を描き、それに沿った計画書を作成することとしました。

 店舗改装だけでは、小規模事業者持続化補助金に採択されたとしても、業績向上に繋がらない可能性があります。少しでも業績向上に繋げるためには、販促策と組み合わせることが必要です。

 小規模事業者持続化補助金が立ち上がった頃は、店舗改装だけでも採択された事例はありましたが、販促策も組み合わせることでより効果が期待できますし、そのことが採択の可能性を高めます。

 このように大枠のストーリーを作成してから、具体的な計画書を作成していきました。次回のコラムでは、同店における様式2-1「1.企業概要」の書き方を見ていきます。

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