持続化補助金に採択された鍼灸治療院の計画書作成事例③

小規模事業者持続化補助金

 その鍼灸治療院は、女性鍼灸師が代表で創業4年を迎えましたが、客単価を向上させるべく、健康保険を活用した診療の他に、自費での診療を増やしたいと考えており、自院の訴求力を高める必要性を感じていました。

 そのために、動画制作、ホームページ立上げ、チラシの制作と新聞折込を行いたいと考え、その費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとし、応募のための計画書を作成することにしました。

 そのご支援を弊社が行い、結果として採択されたわけですが、どのようにしてこの鍼灸治療院が、採択レベルの計画書を作成していったのかをご紹介していきます。

 今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービス」を見ていきます。

1.「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」記入の仕方

(1)必ずしも切り分ける必要はない

 弊社では、強みを「顧客に価値を提供でき、競合より優れている経営資源」と定義しています。そして、その強みを【自社の強み】【自社の提供する商品・サービスの強み】に切り分け、さらに【自社の強み】を<人的資源の強み><物的資源の強み><財務的資源の強み><情報的資源の強み>に切り分け、数多くの強みを洗い出すことをお勧めしています。

 ですが、同院経営者からヒアリングをした結果、このような切り分けに当てはめる必要はないと判断しました。というのも、同院の強みは代表者に関するものしか出てこなかったからです。そこで、経歴をもとに強みを洗い出しました。

(2)経歴をもとにした強みの記載例

 前述の通り、同院は代表者の経歴をもとに強みを記載しましたが、その内容は概ね以下となりました。

  • 小学生の頃に鍼灸院に通ったことがあり、代表者にとって「はり」は幼いころから身近な存在となっています。
  • 学生時代に、裸体のデッサン経験があり、目の前の「立体」の「でっぱり」と「へっこみ」を紙に写し取っていく作業を通じ、体格にかかわらず骨格は大差が無いこと、肉に隠された体の「奥」を意識することに役立ちました。
  • 卒業後に○○の仕事をしたことにより、初対面の顧客が何を求めているのかを、会話を通して拾い出し、最適なものをおすすめする接客技術が鍛えられ、現在の施術対応に活用できています。
  • ○○の仕事を通じて、作り手の「想い」を語ることにより、多くの販売ができることを理解しており、施術の際の提案に活用できています。
  • 販売の現場で、市場ではどんな商品が求められているのかをダイレクトに知り、「売れる商品」を沢山世に送り出すことができ、顧客ニーズの重要性を理解しています。
  • ご縁があった他の鍼灸院経営者から、「◎◎」のやり方、「●●」の扱い方、「△△」を教示され、現在の事業活動に活用できています。
  • 結婚後に入学した▽▽在学中に妊娠をし、「妊婦治療」「経産婦治療」の練習台として重宝された経験から、妊婦に寄り添った治療が可能です。
  • この仕事が大好きで「▲歳までこの仕事をする」と公言しています。

 このようにして、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を記載しましたが、次回は「4.経営方針・目標と今後のプラン」について見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

 持続化補助金に採択された鍼灸治療院の計画書作成事例①

 持続化補助金に採択された鍼灸治療院の計画書作成事例②

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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