持続化補助金で店舗改装資金を調達した食品小売業の事例①

小規模事業者持続化補助金

 同店は、創業130年を迎える食品小売業です。酒類・飲料水、お菓子などの食品の他に、燃料、たばこ、日用品の小売を行っていますが、特に地酒を中心としたお酒の品揃えが豊富である点が大きな特長となっています。

 近年、店舗の老朽化が目立つようになるとともに、前面道路を通行する車両に訴求力のある看板を設置したいと考えるようになり、店舗改装を行うことにしました。

 同店では、その資金を小規模事業者持続化補助金で調達しようと考えたわけですが、採択をより確実なものとするべく、同店で作成した計画書をどのようにブラッシュアップするべきか、弊社にご相談をされました。

 結果として同店は、当該補助金に採択されるわけですが、そのブラッシュアップのプロセスを複数回にわたってご紹介していきます。

 下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の一般的な提出書類ですが、今回のコラムでは、下図、様式2-1<経営計画>内の「1.企業概要」の書き方を解説していきます。

1.「企業概要」の書き方

 同店が事前に記載されてきた内容は、【概要】【売上】【特徴】という見出しの下、各内容がまとめられていました。これを踏まえて以下のようにブラッシュアップしていきました。

(1)沿革を記載する

 同店は【概要】として、取扱商品、営業時間、従業員数を記載していましたが、これは現在の状況を説明しています。これに加えて、過去と未来にも視点を向けて記載すると読み手の理解が深まります。

 未来のことに関しては「4.経営方針・目標と今後のプラン」で記載しますので、「1.企業概要」では、現状の説明の他に過去の説明、つまり沿革を記載することをお勧めします。

 具体的には、いつ創業したのかから始まって、いつ現在の経営者へ事業承継をしたか、いつ売上高が大台を突破したのか、いつ新事業に進出したのか、いつ従業員を雇用したのかなどをまとめると良いでしょう。

(2)リアリティを訴求する

 実際に店舗があることを示すとリアリティが向上します。同店が立地する都道府県、自治体、そして同店の地図といった形で記載すると土地勘のない読み手であっても理解が促されやすくなります。さらには、経営者やスタッフの写真を盛り込むとより効果的です。

(3)記入例を参考にする

 日本商工会議所、全国商工会連合会が公表している記入例には、以下の記述があります。

 この赤枠で囲まれた「売上総額の大きい商品」「利益総額の大きい商品」の一覧表がポイントです。この表があることにより、同店としては売れ筋商品が把握でき、今後強化するべき戦略構築の材料を見出せます。読み手としては、事業規模や取扱商品が把握でき、同店に対する理解が深まります。

 同店が事前に記載されてきた【売上】は、各商品の売上構成比のみに留まっていましたので、記入例のような形にまとめなおしていただきました。

(4)書くべき場所に書く

 同店が記載されてきた【特徴】の内容は、同店の強みと言える内容でした。この「強み」は<経営計画書>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に該当しますので、そちらへ移動していただきました。

 書くべきところに書くべき内容がきちんと配置することが読み手のストレスを軽減させ、理解を深めさせることが可能となります。

 このようにして「1.企業概要」をブラッシュアップしていただきました。次回は「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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