ガソリンスタンドのタイヤ販売でリピーターを獲得する3つの方法

リピーターの確保

 ある方が発した以下の趣旨の発言に触れる機会がありました。

 「先ほどガソリンスタンドで空気圧を点検してもらったら、『2か所に釘が刺さっているのでタイヤ交換をした方が良い』と言われ、それに応じました。しかし、ガソリンスタンドのスタッフは、タイヤに釘が刺さっている状態も、タイヤから釘を抜いた状態も、私に見せることはありませんでした。これって詐欺かもしれないですね?」

 顧客にこのような感想を持たせてしまったということは、この顧客をリピーターにしにくくなったということです。タイヤは何度も買うものではありませんが、タイヤ以外の商品、例えばエンジンオイル交換や車検などの必要性が出てきても、この顧客は、このガソリンスタンドではなく、カーディーラーや整備工場に依頼するようになるでしょう。

 そこで今回のコラムでは、ガソリンスタンドにおいて、タイヤ販売をきっかけに、どのようにすればリピーターを獲得できるのかを見ていきます。

ガソリンスタンドのタイヤ販売でリピーターを獲得する方法1:作業前の状況を顧客と確認する

 お酒を出すある飲食店での話です。同店では他店同様、ボトルキープをしている顧客が来店されたら、そのボトルの他にミネラルウォーターと氷を提供します。ミネラルウォーターは瓶入りのものを出すのですが、それをあえて栓をしたまま持ってきて、顧客の目の前で栓を抜きます。

 なぜそのようなことをするのか、同店のマスターが言うには、ミネラルウォーターの空瓶に水道水を入れて提供するような飲食店とは一線を画すため、とのことでした。このように手間をかけて顧客からの信頼を得ようとしている同店は、当然に繁盛しています。

 冒頭のガソリンスタンドでも、釘が刺さっているタイヤを見つけたら、顧客にその状態を確認していただき、釘を抜いて、刺さっていた部分に石鹸水をかけるなどして、空気が漏れていることを顧客と確認する必要がありました。そして、さらに次のアクションをとることでリピーター化が促進されていきます。

ガソリンスタンドのタイヤ販売でリピーターを獲得する方法2:作業後の状況を顧客と確認する

 交換前の状態を顧客と確認し、顧客がタイヤ交換に応じてくださったとしたら、交換後の状態も確認していいただく必要があります。ご存知の通り、タイヤの側面にはタイヤサイズの他に、製造年と週を示す4桁の数値が刻印されています。この4桁のうち前半の2桁は製造した週を、後半の2桁は製造した年を意味しています。

 例えば「0117」とあれば、01が製造した週、17が製造した年を意味しますので、2017年の第1週に製造したタイヤであることが分かります。タイヤはゴム製品ですので、使用せずとも劣化していきます。よって、メーカーによるとタイヤが摩耗していても、そうでなくても5年をめどに交換を推奨しています。

 このことを顧客にお伝えした上で、ちゃんと製造年と週の新しいタイヤに交換したことを顧客と一緒に確認して、安心感・満足度を高めることで、リピーターになりやすくします。そして、次のアクションでダメ押しをします。

ガソリンスタンドのタイヤ販売でリピーターを獲得する方法3:次回来店時のサービスを告知する

 あるガソリンスタンドでは、タイヤを新品に交換した顧客に対して、紙製の「タイヤ点検カード」を配布しています。顧客が次回来店時にこのカードを提示すると、タイヤの空気圧点検とホイールナットの増し締めを無料で実施します。

 このカードがなくても、顧客から要望があれば無料でこれらの作業は実施するのですが、顧客としてはこのカードがあると依頼しやすくなります。結果として、ホイールナットの緩みや空気圧の異常によるトラブルは高い割合で防止できているとともに、顧客と接する回数が増加し、関係性構築に役立つこととなりました。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドのタイヤ販売でリピーターを獲得する方法として、1.作業前の状況を顧客と確認する、2.作業後の状況を顧客と確認する、3.次回来店時のサービスを告知する、を挙げました。

 タイヤはガソリンスタンドが取り扱う商品の中で高額な部類に入る商品です。よってタイヤ販売で顧客満足度を得ることは、顧客との信頼性構築に繋がり、リピーター化が促進されることに留意したいところです。

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